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2016年12月16日 (金)

親方より、愛弟子だった Y U さんへ

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「親方、これからもずっと、すてきな音楽をたくさん作り続けてください。それだけどうしてもお伝えしたくて」

そう言って電話をくれたのは、今年の春、いや、梅雨の頃だったろうか。
唐突にそう言われて、「うん、ありがとう」くらいしか答えることができなかったのは、半年後には新作のアルバムを聴いてもらえる筈だと、そう思いたかったから。

もう10年近くになるんだっけ?
レッスンを通してたくさんの言葉を交わしてきたけれど、本当にそれがお別れの言葉になってしまった。


あなたはいつもスタジオに来るや、堰を切ったように身近な出来事や感じたことをいろいろと報告してくれて、それで毎回のレッスン時間は随分と長いものになった。初めて来た日も自己紹介を丁寧にしてくれて、百万人に一人くらいの発症率だという病気のことも詳しく話してくれた。

レッスンで何か一つ教わってそれができるようになると子供みたいに喜んで、与えられた宿題は嬉々として持ち帰って・・・。
親方のトリオや「タカオバンド」、それに「bando-band」や「調草子 Kaori-ne」や「あわいびと」、どのライブにも必ず来てくれて、メールでも、次のレッスンでも感想をたくさん熱く語ってくれた。

それに、このブログのたわいない一つ一つの記事をいつもじっくり深く読み込んでくれていたことも、とても嬉しかったよ。
そうそう、だから今ここに書いているんだよ。あなたがきっと読んでくれるだろうと。


とりわけ、ピアノ・フリーインプロビゼーションの録音をここにアップした時には、あなたはその音楽をとても気にってくれて(「気に入る」という言葉では圧倒的に不足でしょうけれど)、それを自分の英語塾で一人一人の生徒に聴かせて、のみならず、その一人一人から感想を聞き出して、それをぜんぶ紙に手書きして、紐できれいに綴じてプレゼントしてくれたこと。

それを、本棚から取り出してきて読み返したよ。
日付を見ると、2008年の12月とある。
中学生から年配の方までそれぞれに、この抽象的な音楽からこんなにも様々に何かを感じてもらえたんだね。何よりその言葉の豊かさに驚くよ。さすがあなたの生徒さんたち、なのだろうか。
これは親方の一生の宝物です。

あなたもまたいつでも読み返せるよう、音も聴けるよう、ここに載せておくね。


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あ、あと音源をアップした元記事のリンクもね。

音楽を深く感じるために (2008.6.2)


ずっと前に「親方に似合う」と言って教えてくれた“Excellence is a thousand details”という言葉と、先の電話で伝えてくれたことを心に留めて親方もがんばるので、今年の1月に伺ったお宅で出した宿題を、あなたもそちらできちんとやっておくように。

あなたの大切な(おそらくは密かに覚悟も抱いていたであろう残された)時間を、こんな親方のピアノレッスンと音楽に注ぎ続けてくれて、本当に、本当にどうもありがとう。

そうそう、あなたの大好きだった『五月の唄』をピアノトリオで録音したアルバムが、無事に完成したんだよ。
そちらで氷取沢のような森をゆったり散歩しながら、どうぞ聴いてみてください。


親方・りき哉

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