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2016年7月 7日 (木)

2016年七夕に思うこと

2016年の七夕に、今思うことをあらためて記しておきます。
(今に限らず、取り分けこの3年ほど常々思っていること、そしてここで折々に繰り返し書いてきたことです)

今年のお正月に、私は「言葉を大切にしたい」と書きました。
 (こちら:2016年 丙申/年頭ご挨拶

言葉を大切にしたい。

ともかく、これに尽きます。

その文脈で、2月にはこんなログをアップしました。
子どもの言葉の軌跡(お父さん日記・2008-2009)


さて、「言葉を大切にしたい」などと(社会人として当然のことを)私がわざわざ表明するのはなぜか。

それは、昨年アップした下記ログ(の文中に貼ったリンク先)を多くの人と共有したいからです。

「今日は雨だからコーヒーには味噌を入れましょう」と言われたら

「言葉を大切にしたい」というのは、言葉遣いを丁寧にするとか(そういうことも無関係ではありませんが)そういうことを言いたいのではなくて、もっと根源的に、「他者と解り合おうとする気持ちを持つか否か」の話をしています。

つまり、他者と解り合うために論理を丁寧に踏まえたい、ということです。

そういうわけで、上述の記事をここに全文再録しておきます。

(以下転載)

「今日は雨だからコーヒーには味噌を入れましょう」と言われたら

(2015年5月9日)

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もしも、晴れた日に「今日は雨だからコーヒーには味噌を入れましょう」と家人から言われたら、どうすれば良いだろうか。


「いや、今日は晴れている」
 と言えばよいのか、

「天気が雨であることがどうしてコーヒーに味噌を入れる理由となるのか」
 と訊くのか、

「味噌入りコーヒーは異常だ」
 と諭すのか。

私はコーヒーに味噌を入れたことはないが、実際に試すまでもないだろう。
そもそもそれは「コーヒー」とは言えず、どちらかと言えば「味噌汁」と呼ぶべきものになる可能性も充分にある。


つまり家人の主張は、前提と、論理と、結論の、すべてがおかしい。(※1)

しかも、いずれを指摘されてもただ「雨が降っているからコーヒーに味噌を入れる必要がある」と持論を繰り返すばかりで、それが家人にとっては「丁寧に説明する」ということであるらしい。(※2)

・・・

近頃、こうした弁舌が日常に溢れていることに驚いている。


そしてマスメディアはこれを、「あなたはコーヒーに調味料を入れることに賛成ですか?」という問いにしてしまう。(※3)


このコミュニケーションの不調を前にして、どう応じればよいのだろうか。


photo:
PENTAX LX+planar50/1.4+PRESTO400 (self development)


・・・という次第なので、この「コーヒー」とは何かについて、多くの人とシェアしたいと私が思うリンクを二つだけ紹介します。


憲法って、何だろう?(解説版)

↑奈良弁護士会による、絵本「憲法って、何だろう?」の解説。なんて平易で丁寧な語り口でしょう。「丁寧に説明する」とは、正にこういうことではないでしょうか。


そもそも憲法がわからない:立憲主義と自民党憲法案

↑『静かに「政治」の話を続けよう』(亜紀書房)より、著者の岡田憲治氏が一章分をまるまるweb公開されています。ウィットに富んだ名調子に、思わず引き込まれます。




蛇足ながら・・
パロディを解説(してしまっては何のためにパロディ化したのか分からなくなりますが)しておきます。

今日は雨だからコーヒーには味噌を入れましょう
という主張と、
あなたはコーヒーに調味料を入れることに賛成ですか?
という設問は、

「今日は雨」→「現憲法はGHQに押し付けられたみっともない憲法」
「コーヒー」→「憲法」
「味噌を入れる」→「立憲主義をやめる」
「調味料を入れる」→「内容はさておき現憲法をとにかく変える」

とそれぞれ置き換えると、今のリアルな言論風景が立ち現れる仕組みになっています。(※4)


【注釈】こちらです↓

(※1)
このように矛盾点を二つ以上含んだ論法を、憲法学者の木村草太氏は「多矛盾系」と呼んでいます。

【憲法学で読み解く民主主義と立憲主義(1)】――「多矛盾系」としての集団的自衛権
(國分功一郎氏とのこの一連の対談も読み応えがあります)


(※2)
「今日は雨」という前提と、「だから」という論理に対しては、例えばこのような反論と批判があります。

自民党の改憲漫画から「押しつけ憲法論」を考える(渡辺輝人)

明日の自由を守る若手弁護士の会: いまだに「押しつけ憲法論」とかいって…2015


(※3)
一例として。(2015.6.25追記)
なぜ読売新聞の世論調査では「安保法制賛成」が40%もいるのか? 回答誘導のカラクリ


(※4)
現政権の憲法観は以下の通りです。
日本国憲法改正草案

改正案についてのQ&A
(いずれも、自民党HPにあるPDFファイル)

その何が問題なのかについて、下記のサイトでは憲法の現行文と自民の草案を見やすく比較できるように、前文から1条ずつ全てがまとめられています。
自民党憲法草案の条文解説

(転載以上)




by りき哉

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