映像作品「フクシマの唄」(音楽:相馬二遍返し組曲)
写真家・土田ヒロミ氏とコラボレートしました映像作品「フクシマの唄」(2013年)を、YouTubeに公開しました。
「3.11」後の福島の四季に移ろう風景と、相馬地方に歌い継がれてきた唄。
昨年の夏、広島で開催された土田ヒロミ写真展で発表されたものです。
【写真】
土田ヒロミ
撮影期間:2011年6月~2013年7月
撮影場所:原発より20km圏外の緊急避難準備区域、計画的避難区域など
【音楽】
「相馬二遍返し」(福島県民謡)組曲
和声付け・編曲:中村力哉
[演奏]
美鵬成る駒(唄・太鼓・鳴り物)
佐藤公美 (唄囃子)
佐藤錦水 (尺八・篠笛)
中村力哉 (ピアノ・鳴り物)
録音:2011年5月12日&2013年7月
東京 Hocola Studio にて
「相馬二遍返し」について
相馬藩は天明の大飢饉(1782〜1788年)では人口の三分の二を失い、復興には人口の回復が必要であったため、藩主は越後、越中、加賀(今の新潟・北陸地方)に家臣をつかわして、相馬へ移民を募りました。
その数は五千人を超えたと言われているそうです。
この唄はその時、相馬を誉めたたえる宣伝歌として唄われたとも伝えられています。
(パソコンの方へ。ぜひ再生画面サイズを大きくしてご覧いただけたらと。埋め込み画像の右下へマウスオン)
この映像の音楽は、本作品「フクシマの唄」のために、「ピアノで織りなす福島県民謡/相馬二遍返し」(2011年5月YouTube公開)に新たに録音を加えて制作しました組曲です。
歌詞やその他解説を、こちらのログに記しています。
映像中頃で背景画的に重なる唄は、福島県民謡「神長老林(かんちょろりん)節」です。
ちなみに、上記写真展のご案内ログがこちらでした。
この中で、今回のコラボレーションに至った出会いと、組曲制作について簡単に触れていますので、よろしければご参照下さい。
私たちが失ったものと、私たちに与えられた選択肢。
それらを見つめ直すための一つの糸口になれればと、土田氏と共にここに公開させていただく次第です。
(本作品は、YouTubeの土田ヒロミchannel と中村力哉channelの両方で公開しています)
by りき哉
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コメント
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突然のファンレターで、すみません。
とてもすばらしい作品、拝見、拝聴できて、幸せです。ありがとうございました。
これからも是非続けていってくださいますよう。楽しみにしています。
わたしも民謡をもっと勉強してみたいと、ほんとに、思います。
投稿: 松尾慧 | 2014年1月10日 (金) 14時47分
松尾慧さん
どうもありがとうございます!
民謡ってどうしてこんなに自分の細胞の一つずつに深く染み渡ってくるのだろう・・と、二十年以上前(二十代の頃)に出会って以来ずっと不思議です。
それが「暮らしの中で唄い継がれてきた唄が持っている力」なのでしょうね。
私ももっと勉強したいですし、しなくては、と思っています。
投稿: りき哉 | 2014年1月12日 (日) 04時47分
はじめまして。不躾に質問して申し訳ありません。
こちらの組曲は、あわいびとさんの「ひと粒のちから ー 里景色 ー」に収録されている1曲目の「相馬二遍返し(福島県民謡)」と同じアレンジ内容になるのでしょうか?
この組曲のアレンジが素晴らしいのでできればこちらの内容のものを購入できればと思っております。
投稿: このは | 2016年3月11日 (金) 22時46分
このはさん
初めまして。ご質問どうもありがとうございます。
この組曲は、基本的には、あわいびとアルバム「ひと粒のちから」収録の『相馬二遍返し』を組み込んだ作品です。
あらためて詳述しますと・・
● まず2011年5月に、この唄をアレンジ&録音してYouTubeに公開しました。
( https://www.youtube.com/watch?v=p6H0qKweDIk&feature=relmfu )
● 2013年夏、それをお聴きになった写真家の土田ヒロミ氏よりコラボレーションのオファーいただき、この映像作品のために制作した音楽がこの組曲です。この組曲は、上記リンクの『相馬二遍返し』をベースにして、間奏を増やしたり、新たな創作を加えて、15分ほどの作品としたものです。
● 2015年秋に制作したあわいびとアルバム「ひと粒のちから」に収録した『相馬二遍返し』は、上記リンク(2011年5月録音)の音源とほぼ同じものです。ただし、「2011年の録音の後、この唄の一部分の節で、より本来の節回しを習ったので、もう一度唄いたい」という美鵬成る駒の気持ちから、唄のみ録音し直しました。
というわけで、あわいびと(ひと粒のちからプロジェクト)として発表している『相馬二遍返し』の音源(バージョン違い)は、web上とCDと合わせて現在3種類あります。
アレンジ内容の違いについてはこのようなところです。
「アレンジ」という言葉の意味が広いので、お尋ねのポイントを掴みきれないでいるのですが、ちなみにこの組曲については現在のところ販売はしていません。
このようなお話でお答えになってますでしょうか。
いずれにしましても、このアレンジを気に入っていただいてとても嬉しいです。
どうもありがとうございます。
投稿: りき哉 | 2016年3月12日 (土) 02時43分