2013年 みずのと巳/年頭ご挨拶
2013年。新年のご挨拶を申し上げます。
当ブログも6年目。
元旦に、この先を見つめるために、昨年一年間の自分の言葉を振り返ってみました。
題して、『本人が勝手に選ぶ、2012年・中村力哉名言・ベスト10』
「名言」は言葉の綾ということで。
つまり、ピックアップした以下の言葉(というか出典記事の全文)は、年頭に当たって改めて思うことの無数にある断面の内の一つなのだと、改めて思う次第なのです。
【第10位】
自由に一つの模様を描いて、それが美しいかどうか、眺めて眺めて眺め尽くす。見る角度や高さや当てる光を変えてみたりして、あらゆるモノサシを当てて、本当にそれがベストかどうか、とことん考える。直感で瞬時に確信が持てることもあるけど、大抵は悩み抜いた先に答えが見つかる。その積み重ね。
(出典:忘我)
【第9位】
結局、何かを学ぶということは、一つの観念を身につけるということでもある。それは固定観念となって当人の視野を縛ることになるかもしれない。でも、何らかの概念を身につけなければ、その周りに無限に広がる可能性について知ることも想像することもできないだろう。
(中略)
オタマジャクシやコードネームが棲息する「五線譜」が生み出したシステムの、その茫漠さにたじろぐ。
(出典:旋律の座標系(ピアノの黒鍵の音名をめぐる思索のかけら))
【第8位】
熊本の「牛深ハイヤ節」が北前船で物資とともに佐渡へ運ばれて「佐渡おけさ」になり、それが津軽へ渡って「津軽あいや節」になった。当然だけど、文化は時間的にも、地理的にも連続している。その連続性を想像すること。この映画に共感したメッセージの一つは、そのことの大切さ。
(出典:『この空の花 ―長岡花火物語』を観て)
【第7位】
音楽は、以前の自分にとって手段ではなく目的だった。3.11以降、自分にとっての音楽は、目的から手段に、少しシフトしたのかもしれない。手段は目的の達成のために取捨選択されるものだ。果たして私の中で音楽は、その重みを少し失ったのだろうか。
(出典:3.11から経た無限の時間)
【第6位】
立憲主義とはそもそもどういうことなのか、天賦人権説をとらないということは何を意味するのか。
(中略)
今まで当たり前のように考えていた基本的人権の思想は、私たち一人一人が注意深く見守っていなければ、うっかりすると連鎖的に壊れていってしまうような、とても繊細な、最もかけがえのないものなのだということを、私はこの改憲案を通して知りました。
(出典:この岐路に思うこと)
【第5位】
でも敢えて断言しよう。音楽を演奏する上で最も大切なこと。それは、「音楽全体を見渡し、自ら己の為すべき事を常に探しつつ、瞬発的に応じていく力」であると。そして、その中でも特に大切なのが、「己の為すべきことを自ら探す力」であると思う。
(出典:己の為すべきことを自ら探す力/調草子 kaori-ne ライブ後記)
【第4位】
経済の大切さにしろ、安定した電力供給の大切さにしろ、エネルギー安全保障の重要性にしろ、どれもこれも、脱原発を主張している誰もが承知している当然の話ばかりです。それらは議論の論点ではなく、議論の前提に過ぎません。デモに参加する人々は、そのような前提はすべて了解した上で、その先を見据え、現実を見渡し、論理と倫理に基づき、希望と決意を抱いて「再稼働反対」と叫んでいるのです。
(中略)
日々を暮らしていく中で何を大切にしたいのか、便利さや豊かさの価値基準そのものが根底から見直されようとしているのに、「電気が足りるかどうか」を旧来の価値観と仕組みを前提にしたまま計算することの不毛さ。
(中略)
「経済が回らなければ命も守れない」とか「経済か命かなんていう二者択一は存在しない」などと、誰も提出していない「経済か命かという二元論」を勝手に想定して一方的に批判している人たちは、「経済より命」という言葉をわざと誤読しているのか、それとも本当に読解力がないのか。
(出典:デモについて(再稼働反対というシュプレヒコールが含意するもの))
【第3位】
この唄は、千葉県長生郡一宮町を中心とした九十九里沿岸一帯の漁師たちが大漁祈願成就の御礼、また海上安全への祈りを込めて歌ったと伝えらる海唄です。
(出典:ピアノで織りなす千葉県民謡「九十九里大漁木遣り唄」)
【第2位】
パワー・ウインドウは、「大切な何か」どころか、求めたはずの利便性すらも(上述のように)逆に失っているのだ。
(出典:クルマのマドは手回しで)
【第1位】
その「エコロジー性と利便性のバランス」を考えれば、人類史上最大の発明は自転車である、と言わずして何があろうか。
(出典:自転車都市の思潮)
というわけで、
今年も思うところを諸々ポツポツと書きたいと思います。
個人的な抱負は、例年のごとく「耳を澄ます」。
本当に自分は耳を澄ましているか。既知の理論や己の経験に囚われていないか。
昨年はそれがどれだけ出来ていたのか?と自問すると反省しきりですが、先入観を捨て、少しでも無垢な耳で音と静寂を聴けるよう、今年も(マイペースで)精進したいと思います。
年始のライブは
● 1月4日(金)
東京「東京俱楽部 本郷店」にて、シンガーのMARKAさんとのデュオ・ライブ
● 1月9日(水)
渋谷「JZ Brat」にて、津軽三味線・工藤武さん率いる『和魂洋奏・SHAH』 ライブ
● 1月10日(木)
新小金井「NASH」にて、MARKAさんと青木タイセイさん(tb)との三人編成によるセッション・ライブ
など。(詳細はLIVEの予定にて)
とても楽しみです。
本年もどうぞよろしくお願いします。
トップの写真
PENTAX LX+planar 50/1.4+400TMAX(self development)
東京・浅草(2011年夏)
by りき哉
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