熱さを喉元のままに
もう8月も後半に差しかかりました。
放射能汚染のこと、エネルギー問題のこと、被災地支援のこと。相変わらず、それらについての情報を求めることに多くの時間を割かざるを得ない毎日。
この期に及んでなお原発を推し進めようとする強大な勢力があり、一部の経済学者たちは旧態依然としたモノサシのまま「経済停滞は放射能汚染よりも恐ろしい」と本末転倒な主張を繰り返し、政治もメディアもその本来的な役割を果たすことができていないばかりか、それを放棄しているようにすら見える現況に於いて、この社会がどこへ向かおうとしているのかを必死に俯瞰し、自分の為すべきことと、語るべき言葉を探し求めつづける日々です。
一番恐ろしいのは、私たちが、喉元を過ぎて「熱さ」を忘れてしまうことだと思います。
なかなか落ち着いて文章を書く時間がないので、とりあえず7月以降の呟きより一部を転載しておこうかと。
以下、話題はそういった社会の大きな問題から個人的な仕事(音楽)のことまで含みつつ、雑多でまとまりありませんが、しばらくブログ更新が滞っていたので、備忘を兼ねて貼っておきます。
[7月1日]
相馬二遍返しを聴いて下さった方から先日メールを頂きました。「とても素敵なアレンジで、ぜひこれで踊りたい」と、札幌を拠点に活動なさっている舞踏家の西崎鼓美さん。7/24千歳市民文化センターでの東日本大震災支援チャリティーイベントで、舞踊とこの音楽がコラボレートされます。
[7月3日]
札幌にて、舞踏家の西崎鼓美さんとお会いしました。和・洋から即興までに渡る表現者同士、新たな共演を確信し合うとても嬉しい出会いとなりました。
[7月8日]
和太鼓奏者・美鵬成る駒さんのブログに、ピアノで織りなす茨城県民謡「網のし唄」レコーディングでの秘話とお宝フォトが。
Narukoma Biho BLOG「網のし唄」
[7月14日]
管首相が初めて公に「脱原発宣言」をした7月13日の翌日、各紙がそれについて社説でどう語ったか抜粋。
朝日新聞:「首相の方針を歓迎し、支持する」
東京新聞:「総発電量に占める原子力の割合を段階的に下げ、原発のない社会を目指すという、首相が示した方向性には同意する」
読売新聞:「安全確保を徹底しつつ、原発利用を続けることが、経済の衰退を防ぐためには欠かせない」
[7月14日]
本日、中目黒「楽屋」にてバンドネオンのバンドbando-bandライブです。不思議な風景の広がる音楽。bn大久保かおり pf中村力哉 bマーク・トゥリアン perc浜野律哉
[7月17日]
saxの本多俊之さんとデュオで初共演(吉祥寺サムタイムにて、アニドウ主催のイベントで)。底抜けにハッピーで、私もずっとニコニコしっぱなし、縦横無尽の楽しいセッションでした。意識が爆発的に広がっていくと、音楽はどこまでも展開していく。心の柔軟性と瞬発力を、これからも大切にしよう。
[7月25日]
秋元順子さんジャズ・ライブのリハを無事終えて一安心。今年も(ジャズ・ライブの)バンドリーダー務めさせていただいてます。8月「ビルボードライブ大阪」、「名古屋ブルーノート」2days、「コットンクラブ東京」2days。
[7月28日]
舞踏家の西崎鼓美さんが、7/24千歳チャリティー公演で「相馬二遍返し」を踊ってくださいました。「皆さんとてもいろいろな感想を下さいました。東北をイメージしたり、心穏やかになったり、皆さんそれぞれにジーンとしてくださいました」とのことです。
9月10日には文化団体協議会のフェスティバルで、今度は和洋バージョンで踊ってくださいます。
[7月28日]
素晴らしいコード付けできた!和声を付けた「釜石浜唄」のレコーディングに向けて大きく前進。十日以上暗中模索の末、ついに降りてきました。要は己が納得できるかどうかなのだけど。明日になって聴いても納得できますように。
[7月30日]
それにしても、利他から生まれた真の怒りを纏った肉声は、これほどにも心に響くものなのか。全内容の極めて重要であることは勿論のこと、演奏家として「常にここまで魂を込めて音を紡がねば」と思う程だ。児玉教授の国会答弁。このYouTube動画、もし未見でしたら、必見です。
2011.07.27 国の原発対応に満身の怒り - 児玉龍彦
[8月3日]
本日は渋谷・JZ Bratにて、津軽三味線・工藤武率る「SHAH」ライブです。ロック+民謡+ジャズ+エスニックなオリジナル歌を、「和魂洋奏」でお届けします。
[8月9日]
給食費を払ってるのだから「いただきます」と言わせるのはおかしい、という親からのクレームを受け、笛や太鼓を合図に食べ始めるようにした学校があるとの話(朝日新聞の声欄)は本当?無知な親は仕方ないとして、「いただきます」の意味を知っている人は学校にも一人もいなかったの?私たちは、命をいただくんだよ。
ショックなのは、学校が唯々諾々と応じたこと。「いただきます」の意味すら誰からも教えてもらえない環境で育った子供たちは、一体どんな未来を描くのか。
食べること(つまり生きること)は命を頂くこと。「いただきます」は、人間の労働に対する感謝である以上に、人力の及ばぬ「命」への畏怖と畏敬の念を込めた、祈りの言葉だ。すべての命は繋がり、私たちは生かされている。子供たちに伝えなくてはいけない最も大切な言葉が「いただきます」だ。
Minolta AUTOCORD(Rokkor75mmF3.5)+ Ektar100
[追伸]
先日、東北民謡に和声を付ける「一粒のちから」プロジェクト第4段として、岩手県民謡「釜石浜唄」のレコーディングをしました。
近日中に公開します。
既に公開している3作品は、こちらにまとめてあります。
ピアノで織りなす東北民謡~Pray for Japan~
(YouTube Rikiya Nakamura Official Channel の再生リストより)
by りき哉
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