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2011年5月24日 (火)

相馬二遍返し (ピアノで織りなす福島県民謡)

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東北地方を襲った地震と津波により、一瞬にして奪われた多くの命。
そして福島県の原発事故により奪われようとしているその土地と、そこに根差してきた文化・風習。


故郷を想う気持ちは、未来へ向かう私たちの大きな力になると信じています。
土着に育まれてきた唄を後世へ伝えていくこと。
その力のささやかな一粒になれればと願っています。

日本の民謡はもともと和声(という概念)を持たない音楽ですが、そこにピアノによるハーモニーを加え、受け継いできた伝統と文化を大切にしながら、新たな解釈とともにアレンジ・演奏しました。


福島県民謡「相馬二遍返し」

(ハア イッサイコレワイ パラットセ)
二遍返しで 済まないならば
お国自慢の 流れ山

伊達と相馬の境の桜
花は相馬で 実は伊達に

相馬相馬と 木萱もなびく
なびく木萱に 花が咲く

駒に跨り 両手に手綱
野馬追い帰りの 程のよさ
(ハア イッサイコレワイ パラットセ
ハア 大難沖まで パラットセ)

以上は、この演奏で唄っている歌詞です。
(他にもいろいろな歌詞があります)

相馬藩は天明の大飢饉(1782〜1788年)では人口の三分の二を失い、復興には人口の回復が必要であったため、藩主は越後、越中、加賀(今の新潟・北陸地方)に家臣をつかわして、相馬へ移民を募りました。
その数は五千人を超えたと言われているそうです。
この唄はその時、相馬を誉めたたえる宣伝歌として唄われたとも伝えられています。



「3.11」以降のいま日本で暮らす私たち一人一人の想いに、この音楽が少しでも寄り添うことができたなら幸いです。


この動画の演奏者
 美鵬成る駒(唄・太鼓)
 佐藤公美 (唄囃子)
 佐藤錦水 (尺八)
 中村力哉 (和声付け・編曲・ピアノ)

2011年5月12日
東京 Hocola Studio にて録音



【追記】
6/8第二弾をアップしました。
ピアノで織りなす宮城県民謡「十三浜甚句」

7/8第三弾をアップしました。
ピアノで織りなす茨城県民謡「網のし唄」

更にその後、第四弾(岩手県民謡「釜石浜唄」)、第五弾(青森県民謡「南部餅つき唄」)とアップしましたものを、YouTube上のここにまとめてあります。
一粒のちから:ピアノで織りなす東北民謡


【追記】(2015.11.30~)
● 温かなメッセージをたくさん頂きまして、2015年秋、CDアルバムの形にしました。
 詳細はこちら

● アレンジ(和声付け)について、少し言葉にしました。
伝承と創出のあわいに

● 当プロジェクトのwebsiteを作りました。(12/20)
 awaibito.com



by りき哉

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コメント

すばらしい!
民謡を踊っています。
いつも この曲はリズミカルに踊っていますが、
しっとりと踊りたいです♪
CDなどにはしていないのですか?

きよりんさん

どうもありがとうございます。
民舞なさってるんですね。

本来この唄は三味線が弾んでグルーブしている、リズミカルな唄ですものね。

このアレンジは今はまだCDにしていません。
被災地の民謡にこうして和声をつけていこうとしているのですが、ある程度の曲数になったらアルバムCDにできたら・・とは思っています。
(そしてその売上げを義援金にできれば・・と)

民謡をアレンジしたものは他にも、宮城県民謡「十三浜甚句」(当記事の次)や、
以前アレンジした山形民謡
http://rikiyapiano.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_05f4.html
などもあります。

いつかどこかで共演できる機会があったらいいですね^^

是非、CDにしてください!私、第一号で買わせていただきます!!

きよりんさん

どうもありがとうございます!
では第一号でお知らせしますね(笑)

ぜひこの相馬二遍返しと舞踊でコラボレートしてください♪

ピアノと一緒の相馬二遍返し、素敵ですね。何か懐かしいです。手拍子の相馬二遍返しも思いだされます。そろそろ相馬野馬追いですね、今年はコロナがあり、開催できるかな?

鈴木良子さん
どうもありがとうございます。
今年の野馬追は「無観客で、神社敷地内の神事のみ実施」とのことですね。このコロナ禍に、相馬の(そして世界各地の)平和と安寧を、私も念じるばかりです。

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