二眼レフがやってきた/ようこそMinolta AUTOCORD:後編
前編からの続き。
やってきたミノルタ・オートコードにモノクロ・フィルムを装填し、早速に近所をぶらりと試し撮り。
二眼レフの大きなファインダーを屋外で覗いて、まずその風景の見え方に感激を受ける。
この視覚体験は、何とも言葉に尽くせぬ、不思議な楽しさだ。
今時のデジタルカメラの液晶みたいに大きな画面でありながら、しかし(電気仕掛けの映像ではなく)「光学」のファインダーであるという点。
ダイレクトに世界に対峙している実感がある。
ファインダーの中で前方から歩いてきた人が右側をすれ違うのかと思っていたら実際には左側を通り過ぎ、ぶつかりそうになって驚いたり・・。
左右反対に見えるファインダーに早く慣れなくては・・。
長方形でなく真四角で景色を切り取る感覚も、とても新鮮だ。
フィルム一本(12カット)を撮るほんの2時間ほどの間に、二人もの人(ご年配の男性)から声を掛けられた。
「珍しいね」とか「懐かしいなぁ」とか。
これは二眼レフの、思わぬ「効用」だった。
こういうふうに人と出会えるのは、とても嬉しい。
少しおしゃべりをして、仲良くなったところでパチリと撮らせて頂いたり。
デジカメでは、こういう感じの出会いは見込めないだろう。
そして後日、現像所から上がったネガを持って早速レンタル暗室に入った。
(今回も自宅から近い、新宿の「Place M's TOKYO DARKROOM」へ。)
暗室でベタ焼きを取り、それを見てまた感激。
一コマがこの大きさ(約6センチ四方)だと、このまま一コマを切り抜いて小さな額に入れて鑑賞できるのでは・・と(とても初々しい私・・)。
そして(とりあえずキャビネ大サイズで)12カット全部、、条件をいろいろ試しながら計31枚を焼いてみた。(全部焼くならベタ焼きの意味はなかった?)
紙焼きをチェックして、カメラに問題ないことも確認できて一安心。
問題は自分のセンスと技術だけだ。
たぶん、経験を積めばそれも少しずつクリアされていくだろう(・・といいな、と願う)。
搭載されているロッコール75㎜f3.5というレンズも(買ってからネットで調べたのだが)、とても評判が良いようだ。
それにしても、フルメカニカルの機械は、つくづく良い。
このカメラはメカトロニクスではなくて、歯車とかバネとかテコとか、そういう機械要素だけで動いているのである。
素材も、ネームプレートまで金属で、たぶんプラスチックは一片も使われていないと思う。
モノとしての手触りや存在感は、そういった目に触れない部分からも伝わってくるものだ。
道具に対して慈しむ心は、それで撮る写真にも写し込まれるに違いない。
美しく精悍でユーモラスなルックスも、フル金属ボディの手触りも、機能性や操作性も、そしてレンズの描写も素晴らしいオートコード、これからPENTAX LXとともに愛でて活用していこう。
記事トップの写真は、オートコード試写で撮ったフィルムのベタ焼き。
コマの大きさ比較のために、35ミリフィルムのベタ焼きを並べてみた。
このように中判(このカメラのフォーマッットは6×6センチ)は、面積で35ミリフィルムの約4倍も大きいので、より精細な表現が可能なのである。
(私がちゃんと使いこなせれば・・だけど。)
右下に置いてあるのが、35ミリとブローニーそれぞれのパトローネ。
下の写真は我が家の銀塩カメラ、LXと今回仲間に加わったAUTOCORDのツーショット。
「あれ?・・LXについてるレンズ、これはプラナー50/1.4では?・・いつの間に導入したんだ?」・・というするどい指摘があるかもしれないが(ないと思うけど)、それはまたいずれ機会があれば・・。
【追記】2011/03/06
ミノルタオートコードでカラー
by りき哉
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