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2010年12月23日 (木)

暗室初体験の巻

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ログ「ようこそ!PENTAX LX」と、「写真は情報か物質か」からの続き。

そういうわけ(LXを購入したことと、写真の「モノ」としての意味に思い至ったこと)もあり、今年の初夏、ついに初めて暗室に入ったのである。

以前にここでちょっとご紹介した写真家の桑田瑞穂さんにレンタル暗室に行ってみたい旨を話したら、「では一緒に行きましょう!」と同伴・指導してくださったのだ。
(ああ、勿体ないほどのお話! 桑田さん、どうもありがとうございました!!)

暗室体験に先立ち、「ひとつのネガから実に多様な表現ができてしまうので、まずは現像所でノーマルにフィルム現像したネガを使ってプリントし、自分のなかの基準をつかむと良いでしょう」とアドバイスを頂いた。
よく写真を音楽に喩えて、「ネガは楽譜でプリントが演奏」というふうに言われるそうだ。
うーむ、なるほど、楽譜と演奏か。

そしていよいよ、膨らんだ期待と、LXで撮影したモノクロ・ネガ3本と、そのコンタクト・プリント(ベタ焼き)を携え、横浜のレンタル暗室「THE DARKROOM」へ。

ベタ焼きを眺め、焼くカットを選び、私は大キャビネ判で、1カットごとに幾通りも条件違いで試しながら、この日、全部で9カットを焼いた。

ああ、なんて楽しい!
印画紙に現れたモノクロ写真の美しさ。
息を凝らして(あるいは咄嗟に、あるいは何気なく)切り取った一瞬が、こんなタッチとトーンを持った写真になるのか!

私は、「モノとしての写真」の手触りと重みを、頭ではなく身を以て味わうことになった。

こういうふうに一枚一枚を丁寧に作り上げていくことを通して、その1カットに深く向き合うことができる。
時間の重みと確かな存在を実感することができる。

暗室には、コンピュータのディスプレイに表示された画像を見ているだけの体験とは明らかに次元の違う何かがあるように思えた。

今まで撮影するだけだった(しかもこの5年くらいはデジカメで撮ってディスプレイで観るだけだった)写真だが、ここへきてますますその奥へ入り込んでいきそうな予感・・。

今回購入していった印画紙は、ILFORDの多諧調RCペーパーで、半光沢・サテンというタイプだが、この質感はとても好きな感じで大正解だった。
(桑田さんも「これいいですね」と、とても気に入っていた。)
当面、この銘柄を常用とし、これはというカットをバライタ印画紙でチャレンジしてみたい。


記事トップの写真は、プリントしてきたばかりの写真を、帰宅して机に並べてみたところ。

by りき哉

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