写真から聴こえてくるジャズ
jazzと一言で言っても、それを言葉で定義することは(たぶん)不可能だ。
あらゆる物事がそうであるように、それには無数の切り口があるし、その境界、つまり「jazzである音楽」と「jazzではない音楽」の間を一本の線で区切ることはできない。
エンターテイメントとしての音楽から、アート、実験的な音楽まで、jazzの中にもさまざまな音楽がある。
横浜の老舗ライブハウス「AIREGIN(エアジン)」は、jazzの中でもとりわけそのクリエイティビティとオリジナリティを第一義とするような音楽を発信しつづけている、相当にハイテンションなハコである。(と私は認識している。)
今年で40周年になるそうだ。
写真家の荒谷良一(あらたに りょういち)さんは、長年にわたり、そのAIREGINでミュージシャンの演奏している姿を撮影されている。
(昨年発売されたTAKAO BANDのCDアルバムでも私たちの写真を撮ってくださいました。このブログに使っている私のプロフィール写真も、その時に頂いたカットです。)
荒谷さんの、AIREGINで撮影した数々の写真の中から厳選した100枚を展示する写真展「LIVE at AIREGIN」が、今日から銀座CANON GALLERYで開催となり、私も鑑賞にと(妻と息子を連れて)赴いた。
100人の鬼気迫る、あるいはクールな、あるいは無邪気で楽しそうな(・・ともかく音楽に深く没入している瞬間の)顔・姿が並ぶ中に佇むと、写真からもその音楽のエネルギーが怒濤のごとく迫ってくるようだった。
写真一枚一枚に表出している熱気もすごいが、ぎっしりと並べられた100枚(100人)という量にも圧倒される。
もはやこれは、AIREGINの空気に包まれている、と言ってよい。
荒谷さんの温かく熱い人柄と、撮影しながらその瞬間の音楽を心底楽しんでいる気持ちが、写真に写っていると思う。
ミュージシャン側も、そんな荒谷さんを信頼しきって音楽の中を突き進んでいる。
時間とともに瞬間瞬間に生まれ消えていく生(なま)の音楽と、瞬間を切り取り定着させる写真。
音がそこから立ち現れてくるかのようなこのモノクロ写真たちは、ミュージシャンと荒谷さんとのコラボレーションだ。
ちなみに、日本を代表する強力なジャズメンたちに混じって、嬉しいことに私の写真も並んでいる。
(ジャズメンとして私が別にすごいわけじゃなくて、写真作品として選に入っている、ということですけど。でもともかく、この写真展の被写体になっていることは光栄なことだと。)
「会場の写真を撮ってもいいですか」と訊いたら、「どうぞどうぞ。あ、それじゃあ、ご家族の写真を撮りましょうか」と荒谷さん。
その私が写った写真をバックに、(ノーギャラで)私たち家族の写真を撮ってくださった。(荒谷さん、どうもありがとうございます!)
東京・福岡でお時間のある方、どうぞ足を運んでみてくださいませ。
(入場無料)
荒谷良一 写真展
「Live at AIREGIN」
2009年6月11日(木)~6月17日(水)
於:銀座 CANON GALLERY
2009年7月6日(月)~7月17日(金)
於:福岡 CANON GALLERY
荒谷良一さんの web site
http://www31.ocn.ne.jp/~aratani/
by りき哉
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