2009年7月 5日 (日)

桑田瑞穂さんの写真展

先日JALの機内誌をめくっていて、その中のある一連の写真に、釘付けになって魅入ってしまった。
イタリア トスカーナの紀行文に添えられたそれら一枚一枚の写真が、なんとも素敵で、それはその風景自体が素敵なこともあるだろうけれど、それよりも私が感じ入ったのは、写真としての(光とか、瞬間とか、空間とかの)切り取り方、というようなことについてであった。
・・などと言うと、私のような門外漢が何をエラそうな、という感じだが、最近は地方へのコンサートツアーにも必ず一眼レフを携帯している私としては、それらの写真を純粋に鑑賞する姿勢が半分、「ああ、一体どうしたらこんな風な写真が撮れるのだろう」と(初心者ながらにも)勉強・分析する姿勢が半分だったのだ。

そして、こんな素敵な写真を撮る写真家はどんな方だろう、と思ってお名前を探したら・・・、あらびっくり。

先日発売になったbando-bandのCDアルバムのジャケットを撮影してくださった、桑田瑞穂さんであった。

今年3月、レコーディング現場で私たちを撮っていただいたその写真も、本当にとても素敵だった。
写真家・桑田さんの素晴らしさを図らずもこの機内誌の写真で再確認した、というよりも、これによって、私はすっかり桑田さんの一ファンになってしまった。
お会いすると、とても物腰の柔らかい、優しい感じの方である。

そして、その桑田さんの写真展が、明日から横浜で開かれる。
以下、桑田さんから頂いたメールより一部転載。
-------------------------
今回の写真展では、モローという厚手で目の粗い、
コットン入りの画材用紙をプリントに使用しました。

モニターや印刷媒体では再現しきれなかった
瑞々しい森の空気感を表現することがねらいです。
森を歩く時に感じる静かな喜びが
少しでもお伝えできれば幸いです。
--------------------------
とのこと。

まだCDジャケットと機内誌でしか触れていない桑田さんの写真を、この機会にぜひともライブで堪能してみたい。
楽しみだ。
わくわく。

桑田瑞穂 写真展 2009.7.6 - 7.12
10:00 - 17:30(最終日は16:00まで)水曜休館
於:エリスマン邸
神奈川県横浜市中区元町1丁目77-4
tel 045-211-1101

桑田瑞穂 web site
http://www.mizuhokuwata.com/

by りき哉

2009年6月12日 (金)

写真から聴こえてくるジャズ

jazzと一言で言っても、それを言葉で定義することは(たぶん)不可能だ。
あらゆる物事がそうであるように、それには無数の切り口があるし、その境界、つまり「jazzである音楽」と「jazzではない音楽」の間を一本の線で区切ることはできない。
エンターテイメントとしての音楽から、アート、実験的な音楽まで、jazzの中にもさまざまな音楽がある。

横浜の老舗ライブハウス「AIREGIN(エアジン)」は、jazzの中でもとりわけそのクリエイティビティとオリジナリティを第一義とするような音楽を発信しつづけている、相当にハイテンションなハコである。(と私は認識している。)
今年で40周年になるそうだ。

写真家の荒谷良一(あらたに りょういち)さんは、長年にわたり、そのAIREGINでミュージシャンの演奏している姿を撮影されている。
(昨年発売されたTAKAO BANDのCDアルバムでも私たちの写真を撮ってくださいました。このブログに使っている私のプロフィール写真も、その時に頂いたカットです。)

荒谷さんの、AIREGINで撮影した数々の写真の中から厳選した100枚を展示する写真展「LIVE at AIREGIN」が、今日から銀座CANON GALLERYで開催となり、私も鑑賞にと(妻と息子を連れて)赴いた。

Aratani_photo_01

Aratani_photo_02


100人の鬼気迫る、あるいはクールな、あるいは無邪気で楽しそうな(・・ともかく音楽に深く没入している瞬間の)顔・姿が並ぶ中に佇むと、写真からもその音楽のエネルギーが怒濤のごとく迫ってくるようだった。

写真一枚一枚に表出している熱気もすごいが、ぎっしりと並べられた100枚(100人)という量にも圧倒される。
もはやこれは、AIREGINの空気に包まれている、と言ってよい。

荒谷さんの温かく熱い人柄と、撮影しながらその瞬間の音楽を心底楽しんでいる気持ちが、写真に写っていると思う。
ミュージシャン側も、そんな荒谷さんを信頼しきって音楽の中を突き進んでいる。

時間とともに瞬間瞬間に生まれ消えていく生(なま)の音楽と、瞬間を切り取り定着させる写真。
音がそこから立ち現れてくるかのようなこのモノクロ写真たちは、ミュージシャンと荒谷さんとのコラボレーションだ。


ちなみに、日本を代表する強力なジャズメンたちに混じって、嬉しいことに私の写真も並んでいる。
(ジャズメンとして私が別にすごいわけじゃなくて、写真作品として選に入っている、ということですけど。でもともかく、この写真展の被写体になっていることは光栄なことだと。)

「会場の写真を撮ってもいいですか」と訊いたら、「どうぞどうぞ。あ、それじゃあ、ご家族の写真を撮りましょうか」と荒谷さん。
その私が写った写真をバックに、(ノーギャラで)私たち家族の写真を撮ってくださった。(荒谷さん、どうもありがとうございます!)

東京・福岡でお時間のある方、どうぞ足を運んでみてくださいませ。
(入場無料)

荒谷良一 写真展
「Live at AIREGIN」

2009年6月11日(木)~6月17日(水)
於:銀座 CANON GALLERY

2009年7月6日(月)~7月17日(金)
於:福岡 CANON GALLERY

荒谷良一さんの web site
http://www31.ocn.ne.jp/~aratani/

Aratani_photo_03


by りき哉

2009年6月 3日 (水)

bando-band 1st CD 出来た!(6/9追記)

Bandoband_ja

ここで何度かご案内してきた通り、今年3月にレコーディングした bando-bandの 1st CDアルバムが、この度無事完成しました!
(やった〜!うれしい!)

ジャケット(ブックレット)も含めて、bando-bandの今の世界観がぎゅうっと濃密に記録されています。


bando-bandってなに?
という方のために、簡単に紹介します。

bando-bandは、バンドネオンの大久保かおりさんをリーダーとする、バンドネオン、ピアノ、ウッドベース、パーカッションによるカルテットのバンドです。
2007年2月の結成以来、東京を中心に各地でライブを重ねてきました。

バンドネオンと言えばタンゴ、ですが、これはタンゴ・バンドではありません。
ではどんなバンドなのか、というと・・・以下、過去に書いたログより一部抜粋。

イラストレーターでもあるバンドネオン奏者の大久保かおりさんは、リハーサルで自身のオリジナル曲をメンバーに説明する際、まず風景描写から入ります。
登場人物の着ている服の色とか、その場所の匂いとか、ディティールは詳細で、絵コンテを描いてくることもあります。
メンバーは面白がりながらも半分困ったりしながら、楽しく曲は膨らんでいきます。
タンゴやジャズ(の要素や方法論)も入り混じって、物語と風景が広がる音楽。

・・まあ、なんとなく雰囲気だけでも伝われば、と・・。

このバンドの、様々な音楽ベクトルのバランスが、私はとても心地よいと思います。


で、アルバム発売記念ライブです!

2009年6月8日(月曜)
「bando-band 1st CD 出来た!ライブ」
19:30スタート
チャージ2,500円

bandoneon 大久保かおり
piano    中村力哉
bass    マーク・トゥーリアン
percussion よしうらけんじ

場所:中目黒「楽屋」
東京都目黒区上目黒2-15-6
TEL 03-3714-2607
http://www.rakuya.net/
(お店にご予約をお願いします)

皆さまのお越しを、温かな応援をお待ちしていま〜す!


大久保かおり web site
http://www.kaoneon.com/

3月のレコーディングについて書いたログがこちら。
bando-bandの世界がカタチになる

追記(6/9)
今回もたくさんのご来場&応援を、どうもありがとうございました!
アルバム作りを経て、バンドとして更に充実してきたな、と今日演奏しながら感じました。
会場の皆さまの、耳を澄ませて聴いてくださっている様子と盛大な拍手が、とても嬉しかったです。
今後とも、bando-bandをよろしくお願いします。

by りき哉

2009年5月 7日 (木)

ついに!田植え

Taue200901

二日前に、地下足袋を購入。
そして今日(5/6)は、我が家の恒例イベントになりつつある田んぼのお手伝いに、房総は一宮へ。

恒例と言っても、過去(一昨年と昨年)に行ったのは「稲刈り」だけで、私は「田植え」は今回が初体験である。
やった〜!念願の田植えだ〜!

 (稲刈り体験の過去ログはこちら
  稲刈り→2007年の初体験
  稲刈り 2008

念のため、再び紹介しておくと・・、
友人の玉木一家は、千葉県一宮で「半農半ミュージシャン」を実践し、農薬・化学肥料・除草剤を使わないオーガニック米を作っている。

今日の参加者(お手伝い)は、ざっと30人くらい。
ちびっ子も含んでいるので、その面倒見で作業できない大人も除くと、実労働者数は10人くらいだったかな。
ウチも、息子(3歳半)と妻は田んぼには入らず、私だけ。

私と同様、田植え初体験の人も多い様子だ。
皆が集まったところで、やり方の説明が玉木さんからあり、皆真剣に聞く。

最初に田んぼの端から端まで糸をピンと渡してライン決め。
そして自分が担当するラインへ、苗を持って入って行く。
まっさらな地下足袋を履いて、水を一杯に張った田んぼに最初の一歩を踏み入れると、ズブズブと膝下まで沈み込んだ。
ああ、この感触は、子供の頃によくザリガニを田んぼで捕ったりして遊んだとき以来だ。

一人が担当するのは糸と糸の間、幅120センチのラインである。
30×60センチのトレイを二つ持って、それで測りながら正確に30センチごとに苗を植えて行く。
縦・横のラインがキチンと揃っていないと、今後の(除草機を入れた)作業に大きく差し障るので、隣の人と歩調を合わせながら慎重に、丁寧に。

最初「冷たい」と思った水はすぐに慣れてぬるく、ドロドロというか、モチモチっとした泥は生暖かい。
苗を植える手元を、オタマジャクシが泳ぎ、アメンボも闊歩している。
カエルの合掌にサラウンドで包まれ、ときどき小雨がぱらつくけど、暑くなくてちょうど良い陽気。

一番つらいのは、腰よりも、深く潜った足を引き抜くのが大変なこと。
(場所によるのだが)一歩進むのにも、バランスを取るのに必死で、力もすごく要る。

何とかやっとこさっとこ、それでも丁寧にやった甲斐あって整然ときれいに、自分たちの担当エリアを完了した。
ふう、アイタタタタ・・、トントン(と腰を叩く)。

昼過ぎには作業を終えて、皆で餅つきしてお昼ご飯。
もちろんこれも、玉木家で作ったオーガニック米である。
つきたてのお餅をたらふく頂く。
ごちそうさま〜!


・・・今度来る時は、草刈りか、稲刈りか。
何と言っても今年は田植えに参加したので、きっと収穫の喜びもまたひとしおだろう。
とても楽しみだ。
(ちなみに、この労働のギャランティは、その収穫したお米のお裾分け、となっている。)

息子の中にも、幼い頃の記憶としてこのような(手作業の)田植え風景が刻み込まれることは、貴重な宝物になるのではないか。
と、お父さんとしては念じている。

Taue200902
皆真剣に田植えの説明を聞いている様子。

Taue200903
稲刈りの時(乾いた田んぼ)とは全く勝手が違う。ちょっとドキドキしながら田んぼに入る。

Taue200904
慣れない手つき・腰つきで、とにかく田植えスタート。

Taue200905
横4人でラインを慎重に揃えつつ、楽しく進んでます。

Taue200906
半分以上は来たか。沈み込んだ足を抜くのが一苦労。

Taue200907
田植え完了。写真中央の(手前から奥へ伸びる)4列が、私の成果です。


玉木さんの田んぼブログがこちら。
MONSOON FARM 豊年日記
http://blog.livedoor.jp/monsoonfarm/

by りき哉

2009年5月 4日 (月)

bando-band マスタリング終了

先日(3/13)のログ「bando-bandの世界がカタチになる」に書いたレコーディングの、ミックス、そしてマスタリングが終了しました。

今日、そのマスター音源を自宅で試聴。
  うん!いいねぇ〜!
・・いや、ほんと、スゴクイイ雰囲気です。
(かおりさん、おつかれさま〜!)
ジャケット(ブックレット)にも期待が膨らみます。

いよいよ発売となる時にまた詳しく書くつもりですので、取り敢えず中間報告まで。

来る6月8日(月)、中目黒「楽屋」にて
bando-band 1stアルバム発売記念ライブです!

by りき哉

2009年4月28日 (火)

ルバートの間合い

秋元順子さんの「コンサートツアー2009〜愛のままで・・・〜」が、4月8,9日の2days 国際フォーラムCよりスタートしました。
7月8,9日の追加公演(@国際フォーラムC)まで、全国27公演。
一昨日(4/25)の大阪NHKホールで6公演を終え、ツアーはまだまだ始まったばかりですが、本番も打ち上げもとても楽しく充実した回を重ねています。

「打ち上げ」などと言うと、何だかパーッと飲んで馬鹿騒ぎしているかのようなニュアンスですが(そういう時も珠にはあるかもしれませんが)、本番中の極限まで張りつめたテンション(集中力)を、いったん通常レベルに戻して次の本番に備える、という大切な目的があり、また、その日の演奏について(あるいはもっと広く音楽について)、バンドメンバー同士で議論を深め、更なる音楽的向上を目指すための重要かつ必要な場にもなっているのです。たぶん・・。
(いろいろな土地へ行くとついつい美味しいものを食べ過ぎがちなので、これ以上体重更新しないように気をつけねば。)

閑話休題。
コンサートのプログラム中で、唄とピアノだけになる場面が何回かあります。
順子さんは、例えばテンポ・ルバートでの間(ま)の意味(というと漠然としてますが)をとても大切に、というか、その間(ま)に対してすごく感覚を研ぎ澄ましているので、ピアニスト側としてもそれに反応するべく、常に文字通り「真剣勝負」を挑みます。
微視的に間合いを測りながら、切り込んだり、引いてみたり。
さながら剣道の立合いのようでしょう。
(って、剣道は一度もしたことないのですが、ひょっとして共通点があるのではないかと・・)

あるいは、書道において、和紙の白い空間にどのように文字を配置するか、という間合いと共通するかもしれません。
いや、白い空間の中での間合いというよりは、筆を走らせている瞬間の、その筆の動き(緩急や間合い)の方が、ルバートと重なる部分が大きいかもしれない。
(書道の心得もゼロですけど・・)

というような妄想をいつもしているわけではありませんが、このテンポ・ルバート部分には学ぶべき要素が無限につまっていることが如実に感じられ、毎回とても凝縮した瞬間を体験しています。

ツアーのこれからの展開が(本番も打ち上げも)楽しみです。
体調に気をつけてがんばります。

090418
上越文化会館の隣の菜の花畑
'09.4.18

090425nhk
大阪NHKホールはピアノ位置(下手)から客席を見るとこんな感じ。
'09.4.25


by りき哉

2009年3月27日 (金)

初ヒロシマの朝散歩

昨日(3/25)は秋元順子さんのディナーショーで広島に行ってきました。
私は広島は初めて。

ショーとその後の打ち上げはゴキゲンに楽しく終了し、ホテルの部屋に戻って(何気なく)周辺地図を見ると、ホテルと原爆ドームはすぐ近くであることを発見。
おぉ!これは明日(朝8:30出発だけど、その前に)がんばって早起きして行かねば!

・・で、夜明けとともにカメラ(コンパクト・デジカメ)を持ち、
ひとり「平和を願う散歩」をしてきました。

以下、その写真日記。

09032601
まだ太陽がかなり低く、一番上のドームだけがピンスポットのように朝陽に照らされている姿が印象的でした。

09032603_3
桜も二分咲きくらい。花も朝陽に光ってきれいでした。
(やっぱり早起きは三文の得だ)

09032605_4
(平和の象徴でもある)鳩のカップル。モノクロにしてみました。

09032604
路面電車と原爆ドーム

09032602
「これはぼくらの叫びです
これは私たちの祈りです
世界に平和をきずくための」
(石碑より)


「あの瞬間」と「今現在」が、時を超えて、いま眼前に厳然と共存している。
路面電車もクルマも、花も木々も、鳩もカラスも、通勤を急ぐ人たちも、青い空も朝陽も・・・、原爆ドームの周りで見るモノ全てが平和の象徴であるかのような、不思議な感覚になりました。

一人の社会人として、音楽家として、親として・・・、深く考え、感じ、それを伝えていきたい。
(ということは、いわずもがなですね)

by りき哉

広告賞の作品

前回ログ(竹の楽器だけで・・)の続きです。

それから数日後のこと。
その「Amazing Grace(for 4つの竹楽器)」は大元のクライアントさんからとても好評を頂き、
・・・曲を(唱歌の)「故郷」に変更したバージョン(は当初作らない予定だったのだけど)、それも是非とも聴いてみたい・・
という嬉しいオファー。

それで、「故郷」を前回と同じ4つの竹楽器(ひちりき、笙、龍笛、尺八)で編曲することになりました。
今回はこの曲を「モダンにしたい」という要望があったので、イントロと歌冒頭4小節を、(和声的に)「モダン」にしてみました。

その録音も先日(3/23)に無事終了し、ナレーションも入った「完パケ状態」で「OK」になりました。

このCMのオンエアーは、取り敢えず、
3/30の07:45、ラジオ大阪、120秒×1回
ということです。
(私は東京なので聴けません・・)

これは主に広告賞の作品なのでオンエアーは非常に少なく、その代わりにいろいろな賞に出す、ということです。
(なるほど、そういう「作品」だったのですね)

受賞できるといいなぁ。
ちなみに大元のクライアントさんとは、パナソニックです。

写真は「故郷」の録音風景@赤坂ODEN STUDIO。
メンバーは
笙・篳篥  西原祐二
龍笛・篠笛 西原貴子
尺八    素川欣也
(編曲   中村力哉)

090323for

by りき哉

2009年3月15日 (日)

竹の楽器だけで・・

篳篥(ひちりき)、笙、龍笛、尺八。
これら4つの楽器はいずれも竹から作られています。

今回は、この竹でできた4つの楽器だけで編曲する、という仕事。
某大手電機メーカーのラジオCM(2分)のための音楽で、楽曲は「Amazing Grace」。

竹という素材が環境負荷的にエコロジーであるという話につなげて企業のエコロジー姿勢をアピールするためのCMらしく、そういうわけで「竹の楽器だけ」ということになったようです。
・・なるほど。

しかし、この4つの楽器だけで(他の楽器は何も入れてはいけない)となると、音域は中高音に集まってるし(つまり厚みのあるハーモニーを表現するのは難しい)、さて、どんなふうにしようか。。。

和楽器のアレンジをする場合、無理に西洋の和声感を作ろうとするのは決して「粋」ではありません。

たとえば篳篥や龍笛などは、音階のみならず音律も西洋のそれとは大分違いますし、その楽器で出せる音の中でも、(西洋的な意味で)ピッチが正しく定まりやすい音と定まりにくい音があります。

音階も音律も、音色も、リズムも、メロディも、(その他いろいろな要素も)その楽器にはその楽器の、(土地に根ざし長い年月を経て)音楽とともに培ってきた「それぞれ特有の美」があります。
そういった様々な特性や審美を大切にしながら、できるだけ各々の楽器の味が生きるようにしたい。

こういうアレンジには、西洋楽器でアレンジするのとはまた違った難しさとやりがいと面白さを感じます。

しかし今回スケジュールがすこぶるタイトで、楽曲が決定したのがそのレコーディング予定日の2日前。
(前回のログで書いたように)bando-bandの録音とも重なってしまったので、2晩まるまる徹夜で仕上げました。
先日(3/12)、赤坂のODEN STUDIOにてそのレコーディングを終えて、やれやれ一安心。

レコーディング・メンバーは
篳篥&笙・・・・西原裕二
龍笛&篠笛・・・西原貴子
尺八・・・・・・水川寿也
という素晴らしい演奏家たち。


・・さて、録音から日を置いて今その2mixを聴いてみると・・、
おお、竹林がサラサラとそよぐ、なんとも清々しい「Amazing Grace」になっている・・・!
(ような気がしました。)

CMとして(ナレーションが入って)聴いてみるのが楽しみ。

追記(3/27)
この話の続きが次のログ広告賞の作品です。

090312
写真:「Amazing Grace for 4つの竹楽器」のスコア

by りき哉

2009年3月13日 (金)

bando-bandの世界がカタチになる

バンドネオンのバンド「bando-band」が、満を持してついに!CDアルバムを制作します。


先週(3/2&3)と今週(3/10)の3日間にわたって、八王子にあるスタジオ・トゥーリアンにて、予定通り全9曲のレコーディングが無事に終了しました。

9曲はすべてリーダーの大久保かおりさんによる作曲。
「風景」や「匂い」や「物語」が浮かぶような、bando-bandの特有な質感をもった名曲揃いです。
面白い曲、楽しい曲、ゴツゴツした曲、ちょっと陰のある曲、暑いけどひんやりした曲、ほかいろいろ。

曲に対するかおりさんの明確なイメージをメンバーはそれぞれに解釈しながら、曲作りやアレンジに於いては私もアイディアを出すことがあったり、リハーサルやライブを重ねてメンバー皆で練り上げてきたという実感があるので、どの曲にもメンバー皆が愛着を抱いています。

2007年2月の結成からバンドとして変化・成長をしてきて、そのベクトルが一つ明確に見えてきた今のタイミングでそれを記録できることはとても有意義で、何よりもそれを皆さまに聴いていただけるということは、とても嬉しいことです。(だからみんな聴いてね。)

3日間の録音はとても順調で、どの曲もテイク1から2,3くらいでオッケー。
このbando-bandの世界を表現するために、レコーディングは(1パートずつの重ね録りでなく)バンド全員「せーの」で演奏する一発録音です。
この1テイクを録るときのハイテンションは恍惚の境地と言ってよいかも。。。

これはアルバムとして、すごく面白い作品になりそうです。
私自身もとても期待しています。

このあとミックス、マスタリング、そしてかおりさんがイラストレータとしての手腕をジャケット(ブックレット)作りに発揮して、予定では5月末発売を目標にしています。

bando-bandのファンの皆さま、そしてまだbando-bandを聴いたことがないという方も、どうぞどうぞお楽しみに!
乞うご期待!

下の写真、録音の合間に撮影してみました。

Bandoband0903031
大久保かおり(bandoneon/リーダー)

Bandoband0903032
マーク・トゥーリアン(bass)

Bandoband0903033
よしうらけんじ(percussion)

上の3枚:photo by Rikiya

Bandoband090310
かおりさんと私
photo by Yoshiura

大久保かおり(bando-band)Web Site
http://www.k2.dion.ne.jp/~kao-o/


by りき哉

«NHK-FMセッション2009(秋元順子ジャズ・バージョン!)