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2017年1月 2日 (月)

2017年 丁酉/年頭ご挨拶

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ことばにより抽象されるものと、捨象されるものをいつも思います。

ピアノの音の消えゆく余韻に耳を澄ますように、ことばの網目のゆらぎに目を凝らす。

何かを語ろうとすればするほど語り得ないものの大きさに圧倒され、つい沈黙を選びそうになる。

おいおい、しっかりしろよ、と自分に言い聞かせて、またことばを探す。

その繰り返しの日々ですが、自分のペースで歩み続けるよりほかありません。

時には道草食いながら。

というより、そもそも何が道草になるのかは事後的にしか判ろうはずもなく。

ただ、その網目の一つ一つへ当て続ける光を大切に。


・・・と、何やら独り言のようになってしまいました。


あけましておめでとうございます。

当ブログは開設十周年を迎えます。引き続き、愚考を丁寧に巡らせていきたいと思っています。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。


photo:
家にあった(飛騨高山で買ってきた)文鎮を撮ってみました。
(PENTAX K200 +smc DA 35/2.8 Macro Limited)


【年頭ご挨拶の追伸】
過去ログの中より、改めて一つだけご案内します。

「今日は雨だからコーヒーには味噌を入れましょう」と言われたら (2015.5.9)


by りき哉


2016年12月21日 (水)

ピアノトリオで奏でたマルコの世界(コンサート後記)

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2016年12月18日、イタリア文化会館が主催する“マルコの世界 小田部羊一と「母をたずねて三千里」展”の関連企画として、同会館アニェッリホールにて“中村力哉 Life is now trio コンサート「MARCOとイタリアンシネマの名曲」”が行われ、無事終了しました。

会場いっぱい(300名様超)の皆様にお運びいただきまして感激です。
どうもありがとうございました。

このコンサートでは、イタリアンシネマの名曲も織り交ぜつつ、1976年に制作・放映されたテレビアニメーション作品「母をたずねて三千里」の中から、主にその劇中音楽をジャズアレンジ・演奏しました。
(全52話、26時間におよぶ同作品を今秋一気に、そして一度ならず鑑賞したことは前々稿に書きました)

イタリアの港町ジェノバの活気溢れる、そして時に静かな情景。
ジェノバの町を駆ける少年マルコ。
大好きなおかあさんとの別れ。
ペッピーノ一座の、妖しく物悲しげな音楽と、愉快で楽しい音楽。

坂田晃一氏の作曲による、物語と結びついた数々の音楽はいずれも美しく印象的で、いざ選曲とアレンジに取り掛かってみると「この曲も演奏したい」「この曲も外せない」となり、結果的に、企画をいただいた当初の見当を大幅に超えた曲数を取り上げてしまいました。(主題歌と合わせて計10曲になりました)

また、コンサートに先立つ12月10日は小田部羊一氏の、17日は高畑勲監督のトークイベントにて、貴重なお話を楽しく聞かせていただきました。
「“三千里”はテレビシリーズでやってはいけない作り方でしたよね(感情を抑えた演技など、これはもう“映画”の表現手法ですよね)。高畑監督の罪深さを改めて思います」と(40年を経た今は笑いながら)お話しになる小田部氏のトークを受けて、翌週は高畑監督も「その通りだったと思います」と反省の弁(?)を語っていらしたことも含め、この展示を通して、門外漢である私にもアニメーションにおける同作品の歴史的価値の重みを感じ取れることがいくつもありました。

この名作に光を当てる大きなイベントに携われたことはとても嬉しく、コンサートを企画・構成してくださったANIDOなみきたかし氏はじめ、関係者の方々に心より感謝します。

コンサートを終えた今は、主人公マルコと共にした遥かな旅を振り返って感慨無量です。

当トリオのメンバーは西川輝正(wb)と秋葉正樹(ds)。

本稿トップの写真と以下、コンサート当日の模様です。
(写真提供; ANIDO)


_mg_2511コンサートの総合司会を、ANIDOのアニメーターでいらっしゃる藤原さんがして下さいました。


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Img_0167私が(不慣れな)MCをしている勇姿をとらえた写真は貴重なので、記念に貼りました。


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Img_0246(キャラクター・デザインを担った小田部氏と同様に)高畑監督も『母をたずねて三千里』を観たのは放映当時以来(40年ぶり)だそうです。
「劇中音楽からは9曲演奏しましたが、全曲とも覚えていらっしゃいましたか?」
「確かに覚えていない曲もあったけれど、いや、しかしほとんどは覚えてましたよ、うん」
と、終演後の図。


というわけで、これもぜひ再演、そしてさらなる展開ができたら、と思っています。


【コンサート・データ】
2016年12月18日(日)
中村力哉 Life is now trio コンサート
「MARCOとイタリアンシネマの名曲」
(“マルコの世界 小田部羊一と「母をたずねて三千里」展”関連企画)

piano  中村力哉
bass   西川輝正
drums 秋葉正樹

会場:イタリア文化会館 アニェッリホール
主催:イタリア文化会館
コーディネーター:イラン・グェン
構成:なみきたかし
後援:イタリア大使館
協力:日本アニメーション株式会社、アニドウ、日本アニメーション文化財団


【関連ログ】

ピアノトリオで奏でる、マルコの世界/「母をたずねて三千里」 (2016.12.10)

CD ALBUM “Frame by Frame” 中村力哉トリオ (2016.12.9)


by りき哉

ANIDO Music on Animation/中村力哉トリオ『Frame by Frame』レコ発コンサート後記

2016年11月21日、杉並公会堂小ホールにて、“ANIDO Music on Animation”シリーズとして「中村力哉 Life is Now Trio “Play the Music of Animation vol.4”コンサート」が開催され、無事終了しました。

たくさんのご来場をいただきまして、どうもありがとうございました。

2008年に初演して以来vol.4となった今回のコンサートはそのCD化記念でもあり、今秋レコーディングしたアルバム『Frame by Frame』(ANIDO RECORD)が同日リリースとなりました。
“Jazz of animation films called masterpieces”をコンセプトとした、ピアノトリオ作品です。

今回のコンサートでは同アルバムに収録した曲(※)を主に、また新たに『王と鳥』(ポール・グリモー監督)よりヴォイチェフ・キラール作曲のテーマ曲をアレンジしてお届けしました。

会場は皆さまの温かな気に包まれて、私たちも丁寧に練り込んできた音楽を楽しく演奏することができました。

ご来場いただいた皆さま、プロデューサー・なみきたかし氏はじめ関係者の方々にお礼申し上げます。

以下、コンサート当日の模様です。
(写真提供; ANIDO)


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リリースとなったCDアルバム(※)もたくさんの方にお求めいただきました。ありがとうございました。


【コンサート・データ】
2016年11月21日(月)
“ANIDO Music on Animation Vol.11”
中村力哉 Life is Now Trio
Play the Music of Animation vol.4
CDアルバム・リリース記念コンサート

piano  中村力哉
bass   西川輝正
drums 秋葉正樹

会場:杉並公会堂 小ホール

主催:アニドウ
企画・構成 なみきたかし
協力:日本アニメーション文化財団、オープロダクション


※ アルバム詳細については前々稿でご案内しましたので、下記リンクをご覧下さい↓

CD ALBUM “Frame by Frame” 中村力哉トリオ(2016.12.9)


by りき哉


2016年12月16日 (金)

親方より、愛弟子だった Y U さんへ

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「親方、これからもずっと、すてきな音楽をたくさん作り続けてください。それだけどうしてもお伝えしたくて」

そう言って電話をくれたのは、今年の春、いや、梅雨の頃だったろうか。
唐突にそう言われて、「うん、ありがとう」くらいしか答えることができなかったのは、半年後には新作のアルバムを聴いてもらえる筈だと、そう思いたかったから。

もう10年近くになるんだっけ?
レッスンを通してたくさんの言葉を交わしてきたけれど、本当にそれがお別れの言葉になってしまった。


あなたはいつもスタジオに来るや、堰を切ったように身近な出来事や感じたことをいろいろと報告してくれて、それで毎回のレッスン時間は随分と長いものになった。初めて来た日も自己紹介を丁寧にしてくれて、百万人に一人くらいの発症率だという病気のことも詳しく話してくれた。

レッスンで何か一つ教わってそれができるようになると子供みたいに喜んで、与えられた宿題は嬉々として持ち帰って・・・。
親方のトリオや「タカオバンド」、それに「bando-band」や「調草子 Kaori-ne」や「あわいびと」、どのライブにも必ず来てくれて、メールでも、次のレッスンでも感想をたくさん熱く語ってくれた。

それに、このブログのたわいない一つ一つの記事をいつもじっくり深く読み込んでくれていたことも、とても嬉しかったよ。
そうそう、だから今ここに書いているんだよ。あなたがきっと読んでくれるだろうと。


とりわけ、ピアノ・フリーインプロビゼーションの録音をここにアップした時には、あなたはその音楽をとても気にってくれて(「気に入る」という言葉では圧倒的に不足でしょうけれど)、それを自分の英語塾で一人一人の生徒に聴かせて、のみならず、その一人一人から感想を聞き出して、それをぜんぶ紙に手書きして、紐できれいに綴じてプレゼントしてくれたこと。

それを、本棚から取り出してきて読み返したよ。
日付を見ると、2008年の12月とある。
中学生から年配の方までそれぞれに、この抽象的な音楽からこんなにも様々に何かを感じてもらえたんだね。何よりその言葉の豊かさに驚くよ。さすがあなたの生徒さんたち、なのだろうか。
これは親方の一生の宝物です。

あなたもまたいつでも読み返せるよう、音も聴けるよう、ここに載せておくね。


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あ、あと音源をアップした元記事のリンクもね。

音楽を深く感じるために (2008.6.2)


ずっと前に「親方に似合う」と言って教えてくれた“Excellence is a thousand details”という言葉と、先の電話で伝えてくれたことを心に留めて親方もがんばるので、今年の1月に伺ったお宅で出した宿題を、あなたもそちらできちんとやっておくように。

あなたの大切な(おそらくは密かに覚悟も抱いていたであろう残された)時間を、こんな親方のピアノレッスンと音楽に注ぎ続けてくれて、本当に、本当にどうもありがとう。

そうそう、あなたの大好きだった『五月の唄』をピアノトリオで録音したアルバムが、無事に完成したんだよ。
そちらで氷取沢のような森をゆったり散歩しながら、どうぞ聴いてみてください。


親方・りき哉

2016年12月10日 (土)

ピアノトリオで奏でる、マルコの世界/「母をたずねて三千里」

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カルピスこども劇場「母をたずねて三千里」が放映されたのは1976年。当時私は10歳でしたが未見だったので、それから40年を経た今秋、その全52話(26時間)を鑑賞しました。

・・・いやはや、すごい旅を(主人公マルコと一緒に)しました。
たくさんの出会いを振り返って、感慨無量です。

そして先日(12/1)は、イタリア文化会館が主催する“マルコの世界 小田部羊一と「母をたずねて三千里」展”の開会式&懇親会に参加しました。

キャラクターデザイン・作画監督を務めた小田部羊一氏の創作を中心に、宮崎駿氏によるレイアウト、高畑勲監督による絵コンテ、椋尾篁美術監督による背景画など美しい貴重な資料が、12/2から22まで同会館エキジビションホールで展示される催し(無料)です。

全52話(26時間 ←念押し)を鑑賞したばかりの私は、それら展示品の一つ一つに感激でした。
「絵に命を吹き込む」というおこないに、あらためて感じ入るところ多くありました。

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(その開会式にて、小田部羊一氏、高畑勲監督と)


さて。

その関連企画として、同会館のアニェッリホールにて12月10日は小田部氏の、17日は高畑監督のトークイベントに続き、18日は私のトリオ・コンサートが行われます。

「母をたずねて三千里」の全編にわたる音楽は、作曲家・坂田晃一氏によるもの。
その様々なシーンと結びついて心に残る楽曲の数々から、この度はピアノトリオで、またイタリアンシネマの名曲も織り交ぜてお贈りします。

マルコ・ファンの方々はもちろんのこと、どなた様もぜひお運びください。
(コンサートも入場無料です。お申し込み方法は下記リンクをご覧下さい)


2016年12月18日(日)
中村力哉 Life is now trio コンサート
「MARCOとイタリアンシネマの名曲」
(“マルコの世界 小田部羊一と「母をたずねて三千里」展”関連企画)

入場無料(下記リンクよりお申し込みください)
16:00開場
16:30開演

piano  中村力哉
bass   西川輝正
drums 秋葉正樹

場所:イタリア文化会館 アニェッリホール
東京都千代田区九段南2-1-30
(東京メトロ東西線、半蔵門線、都営新宿線「九段下」駅下車徒歩10分)

主催:イタリア文化会館
コーディネーター:イラン・グェン
構成:なみきたかし
後援:イタリア大使館
協力:日本アニメーション株式会社、アニドウ、日本アニメーション文化財団

イベント詳細・お申し込みはこちら↓
マルコの世界 小田部羊一と「母をたずねて三千里」展

(件名を「12月18日 ジャズ・コンサート」として、お名前(読み方ローマ字表記)、電話番号、参加人数を明記の上、メールにて eventi.iictokyo@esteri.it までお申し込みください、とのことです)

お問い合せ:
イタリア文化会館 Tel. 03-3264-6011(内線13, 29)


● コンサート後記アップしました↓
  ピアノトリオで奏でたマルコの世界(コンサート後記)



【付記 ご案内】
当トリオは先月CDアルバムをリリースしました。
世界の歴史的なアニメーション作品から、隠れた名曲を集めてジャズアレンジしています。

CD ALBUM “Frame by Frame” 中村力哉 トリオ


by りき哉

2016年12月 9日 (金)

CD ALBUM “Frame by Frame” 中村力哉 トリオ

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2016年11月21日。
前々稿および前稿でご案内しましたピアノトリオのCDアルバムが、この度めでたく完成。そしてアニドウ・レコードよりリリースされました。

コンセプトは “Jazz of animation films called masterpieces” 。

アルバム・タイトルは 「Frame by Frame」 と付けました。

この “Frame by Frame” は「一コマごとに」の意味で、コマ単位で撮影するアニメーションの技法を指します。
そして、絵や人形などの動かない(生命のない)ものに動き(すなわち生命)を与えること、その映像が「アニメーション」と総称されています。
音楽もまた、音に宿った命の振動である・・・とするならば、上述のコンセプトを象徴する言葉として、なんてピッタリなのだろうと。


アニドウ代表なみきたかし氏のプロデュースによる本作は、氏が精選した世界の歴史的なアニメーション作品の数々から、私がジャズアレンジしたいと感じる音楽あるいはアニメーション作品を探し出す・・・というプロセスからスタートしました。

音楽アレンジはもちろんのこと、そのような形で選曲にも携わった私にとって、ですから本作はとても思い入れ深いアルバムとなりました。


当トリオのメンバーは、西川輝正(wb)と、秋葉正樹(ds)。
二人とも私が心より信頼し敬愛するミュージシャンです。

レコーディングは(当ブログではお馴染み)ホコラスタジオで、5日間(実質4日間)にわたって行いました。
その様子は前々稿をご覧下さい↓
 ピアノトリオのアルバム・レコーディング風景

2016年秋の、このメンバーによる、(トリオ名に冠した “Life is Now” の通り)その瞬間瞬間のリアルタイムに生まれた音楽の記録です。


というわけで、以下アルバム詳細です。

“Frame by Frame”
 中村力哉 Life is Now Trio

収録曲 (カッコ内は出典アニメーション作品名)
01. ゲーナの誕生日の歌 (ワニのゲーナ・こんにちはチェブラーシカ)
O2. 雪深い山国のテーマ (雪深い山国)
03. 五月の歌 (やぶにらみの暴君・王と​鳥)
04. 狼なんかこわくない (三匹の子ぶた)
05. 疲れた太陽 (話の話)
06. すて猫トラちゃんの子守唄 (すて猫トラちゃん)
07. セントジェームズ病院 (ベティの白雪姫)
08. 霧につつまれたハリネズミのテーマをモチーフとしたインプロビゼーション (霧につつまれたハリネズミ)
09. 憂える姫に僕は歌う (バヤヤ)
10. いつか王子様が (白雪姫)
11. We’re the Couple in the Castle (バッタ君町に行く)
12. 空色の列車 (チェブラーシカと怪盗おばあさん)


piano  中村力哉
bass   西川輝正
drums 秋葉正樹

All Musical Arrangements: 中村力哉
Recorded on Sep.&Oct. 2016 at HOCOLA Studio,TOKYO
Produce なみきたかし
制作: 一般財団法人日本アニメーション文化財団
発売: アニドウ・フィルム
ANIDO RECORD
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2016年11月21日リリース
定価 2,500円(税込)

ご購入・お問い合わせは、Anido Web Shop もしくは私・中村まで。




ところで、(アルバムの音楽のことだけでなく) CDパッケージ(印刷物)の素晴らしさにも言及しないではいられません。

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高畑勲監督が帯文を寄せてくださいました(ありがとうございます)。
森川耕平氏によるジャケット・イラストは、本作のコンセプトと音楽を見事に、温かくクールに楽しく表してくれています。


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16ページのブックレットは彦根大助氏のデザインによる美しいレイアウトで、写真もテキストも充実しています。
収録の全12曲について、なみき氏による映画作品解説とともに、私も音楽解説を書きました。
2008年初演時よりの謳い文句 「学究的かつ楽しくスウィンギーな一夜」の、「学究的」な側面が浮かび上がってい(るような気がし)ます。


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というわけで、音楽もパッケージも、ぜひ皆さまのお手元に届きますよう。


【お知らせ】

当トリオは来る12月18日(日)、イタリア文化会館アニェッリホールにてコンサートを行います。
同会館で12月2日から22日まで開催される“マルコの世界 小田部羊一と「母をたずねて三千里」展”の関連企画として行われるコンサート(入場無料、要申込み)です。
お申し込み方法は上記リンク参照ください。

そのご案内をアップしました。

ピアノトリオで奏でる、マルコの世界/「母をたずねて三千里」

by りき哉


2016年11月13日 (日)

レコ発コンサート Rikiya Nakamura Life is Now Trio Play the Music of Animation vol.4

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前ログでインフォメーションしましたCDアルバムが、いよいよ11月21日、アニドウ・レーベルよりリリースされます。

(参照:前ログ ピアノトリオのアルバム・レコーディング風景

さてさて。
そのアルバム・リリース記念コンサートのご案内です。

世界のアニメーション映画史をたどる、学究的かつ楽しくスウィンギーな一夜。

・・と謳っていますが、もちろん、アニメーションの歴史について知識が一切なくてもご心配ありませんよう。
(私も2008年の初演時はアニメーションのアの字も知らないまま、純粋に音楽的な楽しみのためにこの一連の選曲・アレンジをしました)
どなた様も歓迎の、ピアノトリオ・ジャズコンサートです。

これまで当コンサート・シリーズで選曲した映画作品は、(国別に分けることに意図はありませんが、参考として作品が生まれた国を併記すると)
ロシア(旧ソ連)の「チェブラーシカ」、
チェコの「バヤヤ」、
フランスは「やぶにらみの暴君/王と鳥」と「雪深い山国」、
アメリカは「バッタ君町へ行く」「ベティの白雪姫」や「三匹の子ぶた」「白雪姫」、
日本の「すて猫トラちゃん」
など。
そして今回はロシアのユーリー・ノルシュテイン監督作品「霧につつまれたハリネズミ」と「話の話」からも音楽を掬い取り、初演します。

ちなみにanimation(アニメーション)は、ラテン語で霊魂を意味するanima(アニマ)に由来し、絵や人形など動かない(生命のない)ものに動き(すなわち生命)を与えること、その映像を総称した言葉です。(かくも「アニメーション」が「いのち」と密接していたとは、最近まで知りませんでした)

そして本アルバムのタイトル「Frame by Frame」は“一コマごとに”という意味で、コマ単位で撮影する技法を指します。それは、無生物に命を吹き込むおこないの象徴的なプロセスでありましょう。

音楽もまた、音に宿った命の振動であるような気がします。


来る11月21日(月)、どうぞぜひ杉並公会堂小ホールへお運びくださいませ。

以下、コンサート情報です。


2016年11月21日(月)
「ANIDO Music on Animation Vol.11」
中村力哉 Life is Now Trio
Play the Music of Animation vol.4
CDアルバム・リリース記念コンサート

19:00開場
19:15開演
前売(予約)2,500円/当日3,000円(全席自由)

piano 中村力哉
bass 西川輝正
drums 秋葉正樹

場所: 杉並公会堂 小ホール
東京都杉並区上荻1-23-15

TEL 03-3220-0401
主催:アニドウ
企画・構成 なみきたかし
協力:日本アニメーション文化財団、オープロダクション

お問合せ・前売申込はアニドウ(メール anido@anido.com)もしくは私・中村まで。

web予約フォームはこちら


【後記】
無事に終演しました。
たくさんのご来場を頂きまして、本当にどうもありがとうございました!!!
(この続きは別項にて)

【お知らせ】
当トリオは来る12月18日(日)、イタリア文化会館アニェッリホールにてコンサートを行います。
同会館で12月2日から22日まで開催される“マルコの世界 小田部羊一と「母をたずねて三千里」展”の関連企画として行われるコンサート(入場無料、要申込み)です。

お申し込み方法は上記リンク参照ください。

詳細は別稿でも改めてご案内したいと思います。



by りき哉

2016年10月16日 (日)

ピアノトリオのアルバム・レコーディング風景

いよいよ秋も深まってきました。
蝉の声に包まれていた日々が遥か遠い昔のようです。

さて、お知らせがあります。

その遥か遠い昔の今夏より、ピアノトリオのアルバム制作に取り掛かってきました。

アニメーションの配給や研究を行うアニドウ(代表なみきたかし氏)の企画・主催により「世界の歴史的なアニメーション作品から(主にあまり知られていない音楽を)選曲・ジャズアレンジして贈る、学究的かつ楽しくスウィンギーなコンサート」として、杉並公会堂小ホールにて2008年、2009年、2013年と3回の公演を重ねてきた試みのCDアルバム化です。

先日、収録する全12曲のレコーディングが無事終了したところです。
メンバーはコンサート初回からの西川輝正(wb)と秋葉正樹(ds)。

アルバム詳細については別稿に譲り、先ずはホコラスタジオでのレコーディング風景を速報として。
(いずれもアニドウなみきさんによる撮影。2016年9月)


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各楽器の位置関係がわかるでしょうか↓
Img_4093 ↑(中央の方は、レコーディングの様子をビデオ撮影してくださっているアニドウの金子さん)
写真右手にドラムセット。
写真中央の後方にベース。その手前に、ドラムとの(ささやなかな)遮音板としてダイニング・テーブルを立ててあります。
写真左手にピアノ。ピアノの蓋がドラムとの(ささやなかな)遮音板となっています。
かように、お互いの音はそれぞれのマイクに被りながらの録音です。


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瞬間瞬間に起きた三人の反応が、リアルタイムに生まれた音楽として記録できました。

来る11月21日リリース予定です。
そして、同日レコ発コンサートです↓


【CDアルバム・リリース記念コンサートのお知らせ】

2016年11月21日(月)
中村力哉 Life is now trio
Play the Music of Animation Vol.4

開場 19:00
開演 19:15

前売(予約)2,500円 当日3,000円
全席自由

 piano 中村力哉
 bass 西川輝正
 drums 秋葉正樹

場所: 杉並公会堂 小ホール
東京都杉並区上荻1-23-15

TEL 03-3220-0401

主催: アニドウ
企画・構成: なみきたかし
協力: 日本アニメーション文化財団、オープロダクション

お問合せ・前売申込:
アニドウ(TEL 03-5761-8924)
anido@anido.com

参考過去ログ:
中村力哉トリオ・コンサート/Play the Music of Animation(2008.2.4)


by りき哉

2016年7月30日 (土)

「三枝俊治 Artigianale Quintetto」 始動します

(文末にライブ後記を追記しました)

2016年夏。
ベーシストの三枝俊治さん率いる新ユニットが、いよいよスタートします。

さんちゃんこと三枝俊治さんとはもう20年以上前から様々な共演をしてきましたが、私にとってさんちゃんは、取り分け「mcasi mcasi」と「あわいびと」という二つの(私のリーダー的な)ユニットでアルバムに参加して頂いてもいる、その音楽性はもちろん人柄も敬愛してやまないベーシストです。

そのさんちゃんが満を持して立ち上げるユニット。
ここにメンバーとして参加できる喜びはなかなか言葉に尽くせません。

バイオリン、バンドネオン、ピアノ、パーカッション、そしてベース(コントラバス)という編成で紡ぐ無国籍なオリジナル楽曲。

8月1日(月) 南青山マンダラにて、「三枝俊治 Artigianale Quintetto」旗揚げライブです。
幅広く深くメロディアスで多層的な三枝俊治の音楽世界を、このユニットでお届けします。
(Artigianale Quintetto はイタリア語で職人五人組の意味です)

どうぞお運びください。



2016年8月1日(月)
三枝俊治 Artigianale Quintetto Live

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18:00開場/19:00開演
¥4000(ワンドリンク込み)

w.bass    三枝俊治
violin    森川拓哉
bandoneon  大久保かおり
piano    中村力哉
percussion 佐藤唯史

場所:南青山 MANDALA
東京都港区南青山3-2-2 MRビル
TEL 03-5474-0411


 

【後記】(2016.8.2up)
会場いっぱいの熱気に包まれて、「三枝俊治 Artigianale Quintetto」誕生ライブ無事終演しました。
ご来場の皆さま、どうもありがとうございました。

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2016.8.1 終演後の図

【次回ライブのご案内】
2016年10月21日(金)
同じく南青山 MANDALAにて。
どうぞお運びください。


by りき哉


2016年7月 7日 (木)

2016年七夕に思うこと

2016年の七夕に、今思うことをあらためて記しておきます。
(今に限らず、取り分けこの3年ほど常々思っていること、そしてここで折々に繰り返し書いてきたことです)

今年のお正月に、私は「言葉を大切にしたい」と書きました。
 (こちら:2016年 丙申/年頭ご挨拶

言葉を大切にしたい。

ともかく、これに尽きます。

その文脈で、2月にはこんなログをアップしました。
子どもの言葉の軌跡(お父さん日記・2008-2009)


さて、「言葉を大切にしたい」などと(社会人として当然のことを)私がわざわざ表明するのはなぜか。

それは、昨年アップした下記ログ(の文中に貼ったリンク先)を多くの人と共有したいからです。

「今日は雨だからコーヒーには味噌を入れましょう」と言われたら

「言葉を大切にしたい」というのは、言葉遣いを丁寧にするとか(そういうことも無関係ではありませんが)そういうことを言いたいのではなくて、もっと根源的に、「他者と解り合おうとする気持ちを持つか否か」の話をしています。

つまり、他者と解り合うために論理を丁寧に踏まえたい、ということです。

そういうわけで、上述の記事をここに全文再録しておきます。

(以下転載)

「今日は雨だからコーヒーには味噌を入れましょう」と言われたら

(2015年5月9日)

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もしも、晴れた日に「今日は雨だからコーヒーには味噌を入れましょう」と家人から言われたら、どうすれば良いだろうか。


「いや、今日は晴れている」
 と言えばよいのか、

「天気が雨であることがどうしてコーヒーに味噌を入れる理由となるのか」
 と訊くのか、

「味噌入りコーヒーは異常だ」
 と諭すのか。

私はコーヒーに味噌を入れたことはないが、実際に試すまでもないだろう。
そもそもそれは「コーヒー」とは言えず、どちらかと言えば「味噌汁」と呼ぶべきものになる可能性も充分にある。


つまり家人の主張は、前提と、論理と、結論の、すべてがおかしい。(※1)

しかも、いずれを指摘されてもただ「雨が降っているからコーヒーに味噌を入れる必要がある」と持論を繰り返すばかりで、それが家人にとっては「丁寧に説明する」ということであるらしい。(※2)

・・・

近頃、こうした弁舌が日常に溢れていることに驚いている。


そしてマスメディアはこれを、「あなたはコーヒーに調味料を入れることに賛成ですか?」という問いにしてしまう。(※3)


このコミュニケーションの不調を前にして、どう応じればよいのだろうか。


photo:
PENTAX LX+planar50/1.4+PRESTO400 (self development)


・・・という次第なので、この「コーヒー」とは何かについて、多くの人とシェアしたいと私が思うリンクを二つだけ紹介します。


憲法って、何だろう?(解説版)

↑奈良弁護士会による、絵本「憲法って、何だろう?」の解説。なんて平易で丁寧な語り口でしょう。「丁寧に説明する」とは、正にこういうことではないでしょうか。


そもそも憲法がわからない:立憲主義と自民党憲法案

↑『静かに「政治」の話を続けよう』(亜紀書房)より、著者の岡田憲治氏が一章分をまるまるweb公開されています。ウィットに富んだ名調子に、思わず引き込まれます。




蛇足ながら・・
パロディを解説(してしまっては何のためにパロディ化したのか分からなくなりますが)しておきます。

今日は雨だからコーヒーには味噌を入れましょう
という主張と、
あなたはコーヒーに調味料を入れることに賛成ですか?
という設問は、

「今日は雨」→「現憲法はGHQに押し付けられたみっともない憲法」
「コーヒー」→「憲法」
「味噌を入れる」→「立憲主義をやめる」
「調味料を入れる」→「内容はさておき現憲法をとにかく変える」

とそれぞれ置き換えると、今のリアルな言論風景が立ち現れる仕組みになっています。(※4)


【注釈】こちらです↓

(※1)
このように矛盾点を二つ以上含んだ論法を、憲法学者の木村草太氏は「多矛盾系」と呼んでいます。

【憲法学で読み解く民主主義と立憲主義(1)】――「多矛盾系」としての集団的自衛権
(國分功一郎氏とのこの一連の対談も読み応えがあります)


(※2)
「今日は雨」という前提と、「だから」という論理に対しては、例えばこのような反論と批判があります。

自民党の改憲漫画から「押しつけ憲法論」を考える(渡辺輝人)

明日の自由を守る若手弁護士の会: いまだに「押しつけ憲法論」とかいって…2015


(※3)
一例として。(2015.6.25追記)
なぜ読売新聞の世論調査では「安保法制賛成」が40%もいるのか? 回答誘導のカラクリ


(※4)
現政権の憲法観は以下の通りです。
日本国憲法改正草案

改正案についてのQ&A
(いずれも、自民党HPにあるPDFファイル)

その何が問題なのかについて、下記のサイトでは憲法の現行文と自民の草案を見やすく比較できるように、前文から1条ずつ全てがまとめられています。
自民党憲法草案の条文解説

(転載以上)




by りき哉

2016年7月 5日 (火)

月映えの夜に・・・ 調草子 Kaori-ne ライブ2016

Kaorine1607


「調草子 Kaori-ne」(しらべのそうし かおりね)の、満を持してお届けするライブのご案内です。

2016年夏、「月映えの夜に・・・」と題したプログラムを、7月・8月・9月と3回公演します。


【調草子 Kaori-ne ライブ2016】
見上げた夏の夜空にとける 夢の通い路

● 2016年7月7日(木) at 恵比寿「アート・カフェ・フレンズ」
● 2016年8月23日(火) at 横浜「Hey Joe」
● 2016年9月30日(金) at 柏「Studio WUU」

尺八・篠笛 佐藤錦水
うた    木津かおり
guitar    内田充
piano    中村力哉
percussion 海沼正利

ライブ詳細はこちらです。
LIVE schedule
(8月以降の情報は近日アップ予定)


一段と深化した「調草子 Kaori-ne」の世界に、どうぞご期待ください。
皆さまのご来場をお待ちしております。



「調草子 Kaori-ne」ってなに?
・・という方は、どうぞ2分ほどお付き合いください↓



アルバムの詳細はこちらです↓
調草子 Kaori-ne 1stアルバム『一の巻 Daikoku mai』リリース


調草子 Kaori-ne Official SITE


by りき哉


2016年3月24日 (木)

あわいびと at 「春風2016」

Awaibito_mgs1464  (photo by Kenji Hayashi)


今年の桜は平年より早い開花となり、今日(3/24)現在、東京でも既に咲き始めています。

さて、代々木公園で開催されるイベント「春風2016」に、あわいびとが出演させていただくことになりました。

『Spring Love 春風』は、参加するすべての人たちと創る「音楽とアートの祭典+お花見」をコンセプトに、そして東日本大震災以降は震災被災者への支援を主な目的として、桜の季節に東京の代々木公園で開催しているフリーパーティです。

開催日時:
2016年4月2日(土)12:00〜20:00
2016年4月3日(日)10:00〜20:00
会場:代々木公園野外ステージ周辺(雨天決行)
入場料:FREE+カンパ

あわいびとは初日(4/2)、12時からの開会式に続いて、40分間のライブを行います。

どうぞお運びください。

「春風2016」公式Webサイト
(↑「春風」について)


そして、当イベントではクラウドファンディングに大きな期待を寄せています。
こちらも合わせて、ぜひご覧下さい。

「SpringLove 春風2016」運営支援のご協力をお願いします! - クラウドファンディング


あわいびとWebsite : awaibito.com



by りき哉


あわいびと、山口へ行くの巻き(後記をリンクしました)

あわいびとは、この度ご縁あって山口県・福賀中学校の閉校記念イベントに伺います。

全校生徒6人という、山口県は福賀中学校。
そのうち4人が卒業する今春、同校は昭和22年の開校以来69年間という歴史に幕を閉じ、阿武中学校に統合されます。

美鵬成る駒(唄・和太鼓)と佐藤錦水(尺八・篠笛)は岡林信康コンサートで山口県阿武町へ9回も訪れたことがあり、そのご縁から同校の閉校記念イベントにあわいびとへコンサートを託していただきました。

Awaibito160326_1

「閉校する寂しさよりも、また新たに始まる希望と喜びを分かち合う楽しいイベントにしたい」との思いを受け、私たちも心を込めて“ふるさとのうた”を奏でたいと思います。

先日はこの日のために新たなアレンジをしました。

入場無料で、どなた様もご覧になれます。
お近くの皆さま、どうぞお運びください。

2016年3月26日(土)
あわいびとコンサート
11:00開演(10:40開場)
入場無料(どなた様も歓迎)

福賀小中学校体育館にて
(山口県阿武郡阿武町福田下1544)

詳細はこちらをご覧ください。
福賀中学校閉校記念行事の開催について


あわいびとWebsite : awaibito.com

【もう一つ、あわいびとライブのお知らせ】
あわいびと at「春風2016」on 2016.4.2


【追記】
あわいびとブログにて「後記:あわいびと山口ツアー 2016」アップしました。


by りき哉

2016年3月12日 (土)

あわいびとライブ(2016/3/10 at「楽屋」)後記

_mgs0422  photo by 林 建次(2016.3.10. 中目黒「楽屋」にて)


2016年3月10日、中目黒・楽屋にて開催しましたあわいびとライブは、おかげさまで会場いっぱいのご来場をいただき、無事に終了しました。

お運びくださった皆さま、そして様々な形で応援してくださった皆さま、どうもありがとうございました。心より感謝申し上げます。

「ひと粒のちから」が、5年を経てひとつ実ったような気がしています。これをまた植えて育てていきたいと思っています。

 承前:二つの時間を繋ぐ


あわいびとwebsiteのライブ後記もどうぞご覧ください。
(写真も満載です↓)

ライブ at「楽屋」2016.3.10 後記(あわいびとBlog)


あわいびとWebsite : awaibito.com


【あわいびとライブのお知らせ】

あわいびとコンサート in 阿武町(山口県)on 2016.3.26

あわいびと at「春風2016」on 2016.4.2


by りき哉


2016年3月10日 (木)

二つの時間を繋ぐ

東日本大震災から5年の節目に際して。

「音楽は、以前の自分にとって手段ではなく目的だった。3.11以降、自分にとっての音楽は、目的から手段に、少しシフトしたのかもしれない。手段は目的の達成のために取捨選択されるものだ。果たして私の中で音楽は、その重みを少し失ったのだろうか」

これはちょうど4年前(震災から1年後)に書いたログからの抜粋です。

3.11から経た無限の時間 2012.3.16)

この時に書き留めた自覚はすべて、その後もずっと、今に至るまで何も変わりません。

昨秋(2015年11月)、震災直後からささやかながらも続けてきた「ひと粒のちから」プロジェクトを、その記録としてCDアルバムの形にすることができました。

受け継いだ唄を大切に、新たな響きにつつむこと。
自分にとってそれは、断絶した二つの時間を繋ぐための祈りであったように思います。

この音楽を通して、たくさんの出会いにも恵まれました。
活動を応援してくれた方々に、心から感謝します。

そして本日3月10日は、東京・中目黒にて「ひと粒のちから」あわいびとライブを行います。

「今」の自分たちにしか出せない音を、精一杯に紡ぎたいと思っています。

あわいびとwebsite

2016/3/10ライブ詳細は前稿にて。


【追記】(2016.3.11)
あわいびとライブはおかげさまで無事に終了しました。たくさんのご来場と温かな応援をどうもありがとうございました。心より感謝申し上げます。
「ひと粒のちから」が、5年を経てひとつ実ったような気がしています。これをまた植えて育てていきたいと思っています。

あわいびとBlog をアップしました。
ライブ at「楽屋」2016.3.10 後記


by りき哉

2016年3月 4日 (金)

あわいびとが東京新聞に取り上げられました

2016年ももう3月。
日増しに春の匂いが漂ってきています。

先日、東京新聞よりあわいびとへ取材のお申し込みをいただき、ホコラ・スタジオにてインタビューを受けました。

その記事が本日(3月4日)付け朝刊(伝統芸能欄)に掲載されました。



(クリックで大きくなります↓)
Awaibito_on_tokyo_sihnbun_160304_2(東京新聞 2016.3.4.朝刊 伝統芸能欄)


さて、来る3月10日(木)、東京は中目黒「楽屋(らくや)」にて、あわいびとライブを行います。

震災から5年の節目に、思いを込めて演奏します。
どうぞぜひ、お運びください。


Awaibito_live160310

2016年3月10日(木)
あわいびとライブ

open 18:00
start 19:30
music charge 3,000円

中目黒 楽屋 rakuya
東京都目黒区上目黒2-15-6
tel 03-3714-2607

唄・太鼓  美鵬成る駒
尺八・篠笛 佐藤錦水
ピアノ   中村力哉

(ご予約は「楽屋」まで)


あわいびとWebsite : awaibito.com


by りき哉

2016年3月 2日 (水)

福島の四季に移ろう風景と、相馬地方に歌い継がれてきた唄

Fukushima


“どんな西洋音楽にも無いような深い悲しみがひしひしと伝わってくるのはどうしてなのか。たぶんそれは、その土地土地に伝わる旋律が、魂の奥底から発せられるものであればあるほど、陽が一瞬のうちに陰に転じるからかも知れない。”
(佐々木孝氏のブログ記事「汚れちまった悲しみに…」より)


東日本大震災から間もなく5年が経とうとしています。

過日、スペイン思想研究家で南相馬市にお住まいの佐々木孝氏が著した『原発禍を生きる』(論創社)を拝読しました。

屋内退避指定区域で周囲がほとんど自主避難し「音もなく無人の境と化した」ご自宅に、佐々木氏は認知症にある奥様とともに震災後もずっと留まり続けました。

本書は、氏がウェブに日々綴ってきた随想録「モノディアロゴス」より、2011年3月10日からの4ヶ月間分を纏めて書籍化したものです。

それまでの暮らしを守り、屋内退避指定区域での非日常をくぐり抜ける氏の体験と思念を、自分なりに一端でも感じ取れたら・・、と念じつつ読みました。
氏の「魂の重心」の低さに圧倒される思いでした。


“今回の大震災で問われている大きな問題の一つが、私たちにとって「くに」とは何か、という問題であることは確かである。私たちにとって「くに」とは現政府でも現行政でもない。私たちにとって、真の「くに」は先祖たちの霊が宿るこの美しい風土(あえて国土とは言わない)であり、そしてそこに住む人間たちなのだ。”(同書 P51、2011年4月4日の日記より)


“つまり人間が生きるということは、ウナムーノという思想家によればおのれの小説を書くこと、つまりおのれの物語を作ることなのだ。個人レベルでも言えることは、町のレベルでも、国のレベルでも言える。つまりこの南相馬の真の復興は、たんに経済的な復興ではなく、町の物語を創出することなのだ。”(同 P246、2011年7月1日の日記より)


その佐々木氏がブログで、映像作品『フクシマの唄』(音楽:相馬二遍返し組曲)を、大変ご丁寧に紹介してくださっています。

冒頭に引用した一文は、その中からの書き抜きです。


“そんな意味でも、「フクシマの唄」をどうぞゆっくり見そして聴いてください。人間たちだけでなくこの相馬の美しい自然が温かく迎えてくれる。裏切られてもなお健気に美しく、しかも人間たちの不実を許し癒しながら年毎の営為を繰り返してくれる。”(同記事より)


全文はこちらです:汚れちまった悲しみに…

(佐々木孝様、どうもありがとうございます)


震災から5年を迎えるにあたり、この映像をあらためてご紹介いたします。
(ぜひ全画面表示でご覧ください)

写真:土田ヒロミ
音楽:あわいびと


 

【お知らせ】

2016年3月10日(木)中目黒「楽屋(らくや)」にて、あわいびとライブを行います。

震災から5年の節目に。
私たちの故郷のために、祈りを込めて。

詳しくはこちらをご覧ください。
2016/3/10 あわいびと Live at 楽屋


  あわいびと Official Website


by りき哉


2016年2月 7日 (日)

子どもの言葉の軌跡(お父さん日記・2008-2009)

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(2009年のお父さん日記より、記録として)


 
● Episode 1

「おとおさん、ぴなおひいて」

「ぴなおじゃなくて、ピアノだよ」

「ぴなお?」

「ううん、違う。ピアノ。『ピ』」

「ぴっ」

「ア」

「あっ」

「ノ」

「のっ」

「そう! ピ・ア・ノ」

「ぴ・な・お!」

「アハハ、どうしてもぴなおになっちゃうね~」

ケラケラケラ。


・・というやり取りをしていたのは、彼が2歳半くらいの頃だったろうか。

その後、「ピアノ」が言えるようになってからもラ行の発音は難しいようで、長いことラ行はほぼア行に(例:クラリネットは「くあいねっと」に)なっていたが、3歳半になった今ではそれもハッキリと発音している。

初めて耳にする言葉も瞬時に音を正しく聞き分け、すぐにその場で習得してゆく様子は頼もしくもある一方、一音節ずつ間違えないように慎重に発話しようとする姿はとても健気だ。


 
● Episode 2

発音の習得とは別の、論理を獲得している様子に微笑んだことも多い。

2歳7ヶ月の頃、朝食の支度をしている母親に彼が尋ねた。


「おかあさん、ばななよーぐうとつくってるの?」

「ううん。バナナはないの。ただのヨーグルト」

「ただのよーぐうと?」

「そう」

「ただはいってうの? (タダ入ってるの?)」


彼は「リンゴのヨーグルト」にはリンゴが、「バナナのヨーグルト」にはバナナが入っていることを知っている。「ただのヨーグルト」にはタダが入っていると推測するのは尤もなことだ。
極めて妥当な推論に、ちょっと感心したのだった。

こうして子どもは経験と知識と推論をたくましく駆使し、言葉の世界をぐんぐん広げてゆくのだなあ。

「タダは入ってないよ」と言われた彼は、それではタダとは何だろうと神妙な顔つきで考え込んでいたのだが、いつの間にか(少なくとも半年後には)正しく(そして得意顔で)「只の」を使いこなすようになっていた。

「てにをは」、「〜から」(確定の順接)、「〜ても/でも」(仮定の逆接)、「〜だけ」(限定)といった助詞の使い方が完璧であることに感心したのも、ちょうどこの頃だったと思う。


 
● Episode 3

論理の獲得の元をたどると、彼が初めて複数の語句を繋げた文をしゃべったのは、それより半年ほど前、2歳2ヶ月のある日のことだった。


「おっきいたんたんのって、ぺんぎんみう!」

(訳:大きいガタンガタン(電車)に乗って、ペンギンを見る=見に行く)


水族館に向かう電車や駅構内で、そして水族館でランチを食べている時も、ペンギンを見て水族館を後にした帰路でも、彼はこの一文を何度も何度も繰り返ししゃべった。

もちろんその文は彼が独自に作り出したのでなく、親が語りかけた一言を真似て発したものだが、なにしろ昨日まで語句を単独で発するだけだった彼の、それが最初の文だった。

「おっきいたんたんのって、ぺんぎんみう!」

初っぱなから(単文でなく)複文である。(※)
しかも前節の目的語は修飾語を伴っている。

子どもの「言葉の宇宙のビッグバン」は、こうして起きるのか。


 
● Episode 4

「宇宙」の膨張の軌跡として、彼との会話をもう一つ採録しておく。
ビッグバンから3ヶ月後、先述の「ただのヨーグルト」より2ヶ月前のこと。

居間で仕事をしていた私に、彼がにこにこ顔で話しかけてきた。


(自分の手のひらを指しながら)
「これてのひら」

「そうだね。手のひら」

(自分の足の裏を指して)
「これあしのひら」

「あはは。そうだね。でも足はひらって言わないんだよ。足の裏」

「あしのうら?」

「そう」

「あしのうら!」


彼は「手のひら」を形態素(て+の+ひら)に分解し、「ひら」は「足」に応用できると帰納的に推論し、その大発見を父親に報告した。

その発見は(惜しくも)却下されたが、彼はそれを残念がることもなく、「あしのうら」という新たな知見を得て嬉々としていた。



 

トップの写真:
「言葉の宇宙のビッグバン」が起きた日(2008.2.19)


● 付録

2歳の誕生日を迎えた頃(初めて文をしゃべる日より2ヶ月前)の、彼の語彙を辞書にしたもの。 (当人としてはもっと多くの語句を使っていた可能性もあるが、親として把握していた語句はおよそ下記の通り。2007年12月26日作成)

【あお】青
【あっか】赤
【あつい】熱い、暑い
【あった】あった、いた
【あっち】あっち(方角を示す)
【い】自分のこと
【いたい】痛い
【うま】馬、またがること
【うみ】海
【おか・おかっか】お母さん
【おと・おとっと】お父さん
【か】かぼちゃ
【がたんたん】電車
【がったんがったん】シーソー
【き】木
【き】救急車
【ぎ】鍵
【きん】キリン
【く】靴、靴下
【くぇ】クレヨン
【クェー】クレーン車
【クォー】クロワッサン
【げ】ゲーナ(アニメのキャラクター)
【ご(ぼ)】ごはん
【こわい(くわい)】怖い
【し】CD
【じ・じいじ】おじいちゃん
【しい】美味しい
【しゅ】スヌーピー
【しゅっしゅっ】蒸気機関車(→ぽー)
【す(しゅ)】座る
【ぞう(どう)】象
【だっく(だっき)】抱っこ
【たっち】立っち
【ちっち】おしっこ
【ちゅ】飛行機、ヘリコプター(根拠不明)
【て】手
【な】魚
【な(ま)】:バナナ
【な】おなら
【ない】ない、いない
【にゅ】牛乳
【にゅう】うんち(根拠不明)
【ね】猫
【ねんね】寝る
【ば】バス
【ぱ】パトカー
【ぱ】葉っぱ
【ばぁ】おばあちゃん、いないいないばあ
【はい】はい(返事)
【ばいばい】さようなら、いってらっしゃい、あっちへ行け
【びぃび】チェブラーシカ(アニメのキャラクター)
【ぶ】ブランコ
【ぶうぶう】クルマ(乗用車)
【ぱん・ぱんぱん】パン、パン屋さん
【ぺん】ボールペン
【ほ】星、月、太陽
【ぼ】帽子
【ぼ】どろぼう
【ぼう・ぼー】消防車、ボール
【ぽー】蒸気機関車(→しゅっしゅっ)
【ほん】本
【ぽんぽん】お腹、お腹がすいた
【まんまん】アンパンマン、アンパンマンジュース
【みみ】耳
【め】目
【もーも】牛
【わんわん】犬



以上、言語学に関心を抱く契機となった岡本夏木著『子どもとことば』(岩波新書)へのオマージュを込めた観察記録として。


(※)
参考:[日本語教育](外部サイト)
   重文・複文

関連ログ:お父さんな日々(2008.4.5)
   「おっきいたんたんのって、しまんもしゃつかう」


【お父さん日記シリーズ】

お父さん日記・2011夏

お父さん日記・2011秋〜2012初春

お父さん日記・2012春〜師走

お父さん日記・2013

お父さん日記・2014

お父さん日記・2015春

ゲルマニウムラジオ作り/お父さん日記・2015夏休み特別編として

お父さん日記・2015夏〜師走



by りき哉


2016年1月24日 (日)

bando-band ライブ 10年への旅(後記を追記しました)

(文末にライブ後記を追記しました。1/27up)

結成10年目を迎える『bando-band』の、今年最初のライブがいよいよ近づいてきました。

今回は「たくさんの感謝をこめてOriginal曲をイキマス!」ということで、ちょっと記念的な一夜になりそうです。


2016_1_26_bb



2016年1月26日(火)
bando-band LIVE

18:00オープン
19:30スタート
charge¥2500(ドリンク別)

bandoneon  大久保かおり
piano      中村力哉
w.bass    マーク・トゥリアン
percussion  海沼正利

場所:中目黒 楽屋(らくや)
東京都目黒区上目黒2-15-6
TEL 03-3714-2607

kaori okubo bandoneon website


下記リンクでは、リーダーの大久保かおりさんがこれまでの9年を辿り、bando-bandのオリジナル曲を紹介しています。どうぞご覧ください。

bando-band 10年への旅


ちなみに楽屋(らくや)は料理がまたとても美味しいです。
私のお勧めはタイカレーなど。

たくさんの皆さまのご来場をお待ちしています!


【ライブ後記】(1/27up)

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bando-bandライブ「10年への旅」は無事終了しました。
9年間の歩みがギュッと詰まった一夜となりました。
ご来場の皆さま、どうもありがとうございました。

そして、今回はベースのマーク・トゥリアンがメンバーとして参加する最後のライブでした。

マーク、温かな音楽をどうもありがとう。
bando-bandで共に作ってきた音楽と時間は私の宝物です。

リーダー大久保かおりさんのwebsiteです↓

「bando-band 10年への旅」
ライブ後記と、メンバーについてのご報告

bando-bandは10年目を迎えます。
さらにすすむ青き楽隊を、どうぞよろしくお願いします!


by りき哉


【Information】

2016年3月10日 あわいびとライブ at 中目黒「楽屋」のお知らせ

2016年1月 3日 (日)

2016年 丙申/年頭ご挨拶

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耳を澄まし、何かを感じる。

その「何か」が何なのか。それを捉えようと言葉にする。

言語化によって現前するものがあり、言語化によって失われるものがある。

捨象されるものをいつも思い、恐れ、一方で、言葉によって初めて対象を深く認識する可能性を思う。

連続する有形無形の様々な事物を言葉が切り分けるその網目は、常にゆらぎを伴い、時に編み直されて変化してゆく。

その様子を俯瞰しながら、その中を泳ぎ続ける。


大切にしたいものは、言葉と、音楽。

あるいは、言葉と音楽の間。

東日本大震災から5年が経つ、2016年の年頭に漠然と思い巡らすこと。

(備忘録として)


閑話休題。


あけましておめでとうございます。

昨年は「ひと粒のちからプロジェクト」こと「あわいびと」として、その音楽をCDアルバムという形にすることができました。(※)

たくさんの応援をいただきまして、どうもありがとうございます。

当ブログは開設9年を迎えます。引き続き、愚考を丁寧に巡らせていきたいと思っています。

本年もどうぞよろしくお願いします。


(※)あわいびと Official Website
   
   2016.3.10 あわいびとライブ at 中目黒「楽屋」のお知らせ


photo :
PENTAX LX + planar 50/1.4 + 400TMAX (self development)


by りき哉


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