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2012年1月27日 (金)

己の為すべきことを自ら探す力/調草子 kaori-ne ライブ後記

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2012年新春の「調草子 kaori-ne」ライブは大入り&大盛り上がりのうちに終了しました。

実は、今回は残念ながら尺八の佐藤錦水がインフルエンザのため急遽欠場し、本番は唄とギターとパーカッションとピアノという4人編成となりました。

そういう事情で、私は久しぶりにピアノとピアニカ同時プレイも。

誰が欠けても成立しないユニットに於いて一人が病欠というハプニングを抱えたライブであったけど、何事も、機に臨み変に応じるべしと。そういうことが難なく自然にやれてしまうこのメンバーが集まっていることの妙を思う一晩でした。

今回、改めて感じたことを、備忘のため以下に記します。


音楽を演奏する上で最も大切なこと。

それは、もちろんその場その時によって様々ではあるだろう。
ホテルのラウンジで弾く時と結婚披露宴で弾く時でも違うし、レコーディングの場とライブの場ではもっと違う。
そして、音楽自体の持つ器の大きさや方法論によっても違う。

楽器の演奏技術、和声や旋律を聴き取る能力、リズムやグルーブを出す力、音楽の理論や語彙や語法や定石に関する知識と経験、想像力や柔軟性、柔軟性と一見相反するように見える確固たる審美眼、そして何よりも「いい音楽を作ろう」という気持ちや、他者への思いやり。

こういったことを挙げていけばキリがないし、上に挙げたことのうちの一つについてすら、三日三晩語っても終わるものではない。そもそも、その切り口の次元が無限にある。

でも敢えて断言しよう。
音楽を演奏する上で最も大切なこと。
それは、「音楽全体を見渡し、自ら己の為すべき事を常に探しつつ、瞬発的に応じていく力」であると。

そして、その中でも特に大切なのが、「己の為すべきことを自ら探す力」であると思う。

「与えられたことをすごく上手にやる力はあるけど、『音楽全体を見渡し、自ら己の為すべき事を常に探しつつ、瞬発的に応じていく力』はない」という人が共演者の中に一人でもいると、アンサンブル全体としての生命力に富む発展性は大きく閉ざされてしまう。

だから、クリエイティブなユニットであるためには、メンバー個々がその力を備えている必要があるし、そういうメンバーと共に音楽を即興的に作ることができるのは、何よりも嬉しく楽しいことだ。


以上、備忘録として。


今回、ピアノのアドリブソロで、客席からの凄い熱い声援につい調子に乗り過ぎて野獣のように弾きまくってたらもう勢いが止まらなくなってしまった、まだまだ子供な私。(もっと大人になれる日は来るのか?)

PA(音響操作)して下さった方が「久しぶりに、ピアノ本体が動くプレイを観ました」と。(ちなみにグランドピアノですが)
声援の力は大きい。


お越し下さった皆さま、お囃子を掛けてくださった(客席の民謡のプロの)方々、本当にどうもありがとうございました!
今後の「調草子 kaori-ne」の発展に、乞うご期待!


トップの写真は本番前のステージの様子。
ピアノの上にはピアニカがセットしてあります。


そしてライブ終えての集合写真は顔が白トビしてしまっているので小さく。
(いずれも iPhone 4s で撮影)

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ライブ・データ

2012年1月26日(木)
調草子 Kaori-ne 新春ライブ

尺八・篠笛 / 佐藤錦水(無念の病欠のため、自宅より気持ちだけ参加)
うた / 木津かおり(急遽、篠笛も)
guitar / 内田充
piano / 中村力哉
percussion / 海沼正利

於:四谷「メビウス」


当ユニット初回ライブのログがこちら。
調草子 Kaori-ne 結成記念ライブ!
調草子 Kaori-ne ライブ後記


by りき哉


2012年1月25日 (水)

2012初春のライブ後記と告知

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今年も新春早々、濃密なライブがいろいろと。
編曲仕事も並行しつつ。

気がつけばもう1月下旬。ライブ後記(というか一言日記みたいなもの)を貼りつつ、慌てて目前のライブの告知などを。


[1月11日 水]
渋谷・JZ Bratにて、津軽三味線・工藤武率る「和魂洋奏・SHAH」ライブ。
ピアノの向きがいつもと反対で、音のバランスが良かった。
ファンの方々の、いつも熱い応援が嬉しい。


[1月14日 土]
関内 ADLIBにて 森近徹 Standard Trio ライブ。
森近さんとライブでは初共演。ギターの生島さんとは初対面。そしてADLIBも初めて伺う。エリントンもの等スタンダードを中心としたセッション。
ADLIBはピアノ(ヤマハC3)の音も良く、PA無しでちょうど良い音量と響きで、雰囲気もとても良い。
サックスとギターとピアノのトリオ編成は音の空間を自由に遊べるから楽しい(反面、己の自由度が試される)。
同じメンバーで、来月は東中野のセロニアス。楽しみだ。
森近徹 ts
生島佳明 g
中村力哉 pf


[1月17日 火]
関内 Bar Bar Bar にて中野渡章子ライブ。
この妙なる布陣!私が敬愛して止まないプレーヤーが集まり、しかも「初めまして」率が高い(全員を知っているのは私だけという)初の組み合わせ。

音の空間、ダイナミックレンジ、ストーリーの展開、語彙や話法、柔軟性や包容力、・・等々。音楽の無数にある断面について、改めて思いを巡らせる。こういうメンバーでこういうふうに音楽を紡げることの喜びを深く感じる、最高に楽しいライブだった。
いろいろなことに感謝。
中野渡章子 vo
岩谷耕資郎 g
中村力哉 pf
Mark Tourian wb
平井景 ds


[1月18日 水]
市川 O'd Diner にて、のがみともみ(vo)さんとのデュオ。自由な対話を楽しむ。


[1月20日 金]
上板橋 GreenDoor にて、富田直登クインテットのライブ。
リラックスして熱く(という目標)。
富田NaoTo tp
黒田一義 ts
中村力哉 pf
岡本紘志 wb
今関和彦 ds
かわべまいこ vo


そして!
ここからはライブ告知です!(って、もう明日と明後日なんですけど)

[1月26日 木]

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四谷「メビウス」にて、調草子(しらべのそうし)〜Kaori-ne〜 第二弾・新春ライブです。

尺八・篠笛  佐藤錦水
うた     木津かおり
guitar    内田充
piano    中村力哉
percussion 海沼正利

もともと無伴奏だった口伝の調べを、艶やかに転生させるべく、邦楽家 佐藤錦水の呼び掛けのもと、各方面にて活動中のアーティスト達が一同に集結した。日本語特有の発声、韻から生まれた日本固有の音楽の原点を、今の音色で蘇らせる伝え人たち。

当ユニット初回ライブのログがこちら。
調草子 Kaori-ne 結成記念ライブ!
調草子 Kaori-ne ライブ後記

今回のライブ後記アップしました。(1/27)
己の為すべきことを自ら探す力/調草子 kaori-ne ライブ後記



[1月27日 金]
柏「Studio Woo」にて、すっぴんジャズ"samANDo"
samA & EaudeMONDo(ex.samaNOЯI)ライブ。

vocal   早眞
s.sax   日竎則彦(produce)
piano   中村力哉
bass    岩川峰人
Drums   島野和樹
ゲスト
~ from HIBI★Chazz-k ~
a.sax   澤田亜矢子
t.sax   筒井洋一
b.sax   小仲井紀彦

DiamondでMONDOモードなJAZZ&POPユニットです(って、私も意味よく解っていないのですけど)。
samANDoとは?(vo 早眞さんのブログ)





それぞれのライブデータはLIVEの予定に。
皆さまのお越しをお待ちしています!



トップの写真
PENTAX LX+planar 50/1.4+400TMAX(self development)
(本記事とは何も脈略なく、ただ飾りに貼ってみました)


by りき哉

2012年1月16日 (月)

2011秋〜2012初春・お父さん日記

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備忘を兼ねて、昨秋以降の日記から。
(一部は過去ログに既出)


[2011年10月25日]
仕事で行けなかった幼稚園の運動会。携帯で撮ったムービーのダイジェストを観た。おおっ!本人の肩ほどまで高くした竹馬に(台の上から)乗って、ゴールまでスタスタと一気に駆け抜けた姿に、お父さんは感慨無量の夜。


[2011年12月6日]
息子のピアノレッスンは今まで一年近くお父さんオリジナルの練習をさせていたのだけど、今日は昇級テストという事にして、合格にして、8級から7級に進級した事にした。嬉しさを隠すように首をすくめてから台所へ行き、「ねえ、おかあさん、ぼくね、昨日まで8級だったけど7級にしんきゅうしたんだよ」と。

毎晩寝る前にちゃんと(ほんの5分程だけど)練習し続けてきたからね、そろそろお父さんの我流じゃなくて教則本に沿ってみようと。バイエルは時代遅れという噂も聞き、明日からはバーナムピアノ教本でレッスン。ざっと見てみると、「お父さん認定7級」の彼なら1冊目は楽勝だろう。飽きないで続けば。

ちなみに「8級から7級に」という数字は、もちろんテキトーな思いつき。お父さんは八段ということにしておく。(まだ上に九段、十段、名人とある)


[2011年12月15日]
息子の誕生日プレゼントを買いに来た新宿にて。幼稚園で先日マフラー編んだのがよほど楽しかったのか、「お父さんのも編んであげるから」と、誕生日プレゼントに欲しい物は毛糸とのこと。いいのか、恐竜のおもちゃじゃなくて?

しかも、二つの毛糸の束を比べ、「どっちが安いの?」「こっちは350円でこっちは500円だからこっちの方が安いよ」「じゃあ、こっち!」と安い方を選ぶ。え、えらいな、お前。

結局、毛糸を買った後、ランドセルと恐竜図鑑を買ってご飯を食べて帰宅。でも(恐竜の絵本や図鑑はすでに沢山持っているし、ランドセルはまだピンとこないのか)毛糸が一番嬉しそうだったような・・。(マフラー楽しみにしてるよ。おやすみ)


[2011年12月24日]
リハ終わって本番までの空き時間に、新宿で息子とクリスマス・プレゼント選び。沢山のおもちゃを前にしても、サンタさんにお願いしたい物はペンキとのこと。ダンボールを塗りたいそうな。先週誕生日に欲しがったのは毛糸で、クリスマスにはペンキ。職人気質なのか。

「ペンキならお父さんが今度買ってあげるから、今日はサンタさんにしかお願いできないものお願いしたら?」「じゃあ、ペンキをぬるふで!」「筆もお父さんが買ってあげるよ」「うーん・・・、じゃあ、ダンボール!」


[2012年1月1日]
「そういえばお父さんのマフラーはできたのか?」「え?まずおかあさんのをあんでから、それからおとうさんのだよ」「じゃあ、お母さんのはできたの?」「え?・・うーんと、まだ」
途中まで編んだものの、買ってきた毛糸が太すぎて小さな手では編みにくかったので中断し、細いのを買ってきたけどもうモチベーション落ちてそのままになっているらしい。
「早く編んでくれないと冬が終わっちゃうよ」「うん、わかった」 返事に覇気はない。完成を見る日は来るのか。


[2012年1月3日]
なかなか上手に回せないからすぐに飽きちゃうし、すぐに飽きちゃうからなかなか上手に回せるようにならない。よし、お正月だし、今日はコマ回しの特訓しよう。そうそう、膝をついて低い位置から、もっと遠くへ、丁寧に、「回れ!」って投げると、ほらっ、回った!
だんだんコツを掴んできて、何秒回ったかをノートにつけ始めたら、記録更新が楽しくて「3ページ埋まるまでやる!」
よかったね。冬休み明けたら幼稚園で対決できるね。

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[2012年1月7日]
近所のガソリン・スタンドまで歩いて灯油の買い出しお手伝い。空っぽの往路だけかと思ったら20リットル満タンの復路も全部運んでくれました。
(ちなみに我が家の12月の電気使用量は、昨年より55%の減少でした)

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[2012年1月8日]
仕事から帰宅すると「おとうさん、目つぶって。・・はい、もういいよ、ほらっ」
目を開けると、おおっ、マフラーが大体できている!「長さを見るから、おとうさん、首にまいてみて」「どれどれ、うーん、もうちょっと長い方がいいな」「オッケー、わかった」と、どんどん編んでくれる。へぇ、指でそうやって編むのか。

「これでどう?」「うーん、あとほんのちょっとだけ長くして」「はい、いいよー」と編み進み、ついに完成! 
いいね。どう?似合う?いい色だね。長さも丁度いいよ。あったかいね。ありがとう!!!

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by りき哉

2012年1月 2日 (月)

2012年 みずのえ辰/年頭ご挨拶

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2012年。新年のご挨拶を申し上げます。

経済第一という幻のような価値観の塊である原発を卒業し、本当に豊かな社会を子供たちにプレゼントするための歩みを、昨年に続き更に大きく進められますように。
東北地方の失われた風景と生活が、一日も早く戻ってきますように。

個人的なテーマは例年と同じく「耳を澄ます」です。
本当に自分は耳を澄ましているか。既存の理論や己の乏しい知識や経験に囚われていないか。
先入観を捨て、少しでも無垢な耳で音と静寂を聴けるよう、(マイペースで)精進したいと思います。
一音に宇宙を聴くべし(と自分に言い聞かせる新年二日目)。

それにしても、これは毎年のことだけど、大晦日から元旦へ年が明けると、本当にどうしてこんなに「新しいページが開いた」という気分になるのだろう。
月日の移ろいに特異点などあろうはずもないのに、やはりこの区切りに特別な感慨を抱いてしまうのは、自分が単なる一つの観念でしかない暦(こよみ)というシステムに毒されているからなのか。
つまり、それは、自分が真に耳を澄ますことができていない、ということの現れなのかもしれない。
・・と思ったり。

本年もどうぞよろしくお願いします。


トップの写真
PENTAX LX+planar 50/1.4+400TMAX(self development)


by りき哉

「年頭のご挨拶」の第一弾「自転車都市の思潮」も、絶賛ご高覧賜り中!


2012年1月 1日 (日)

自転車都市の思潮

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ログ「自転車をめぐる都市の在り方について」の続編(というか、本編)です。


当ブログを開設した4年前当初より、自分のプロフィール欄には「自転車・・・幹線道路に専用車線を完備してほしい」という一文を載せている。

私は世田谷区(区役所近く)のスタジオから、渋谷や新宿はもちろん、池袋も上野も銀座も(雨でなければ)自転車で行く。
たとえば上野のライブハウスまで、歩くと(休みなしで)たぶん4時間くらいかと思うが、自転車だと小一時間ほど。
(ちなみに電車でも同じく1時間くらい)

歩くのにくらべて、自転車に乗るとどれほど早く遠くまでラクに移動できることか。その圧倒的なパフォーマンス(能率)に驚嘆せずにいられない。だって、それが100パーセント「人力」によって成し遂げられているのである。

自転車に乗ることは、いわば自分の身体が拡張されたサイボーグになるようなものだ。それを身につけると、(空は飛べないけど)ものすごい移動能力を獲得する。繰り返すが、排気ガスも放射性廃棄物も出さずに、だ。

その「エコロジー性」と「利便性」のバランスを考えれば、人類史上最大の発明は自転車である、と言わずして何があろうか。

そればかりではない。

日常の足に自転車を利用していると、春には春の匂いを、秋には秋の風を身体全体で感じることができる。
冬は自転車ではさぞ寒かろう、と思う方も多いようだが、実はその反対で、一生懸命漕いでいるとすぐに熱く(心情的には「暑く」)なるのでむしろ薄着の方が良いほどだ。(私は真冬の新宿で人々がコートの襟を立てて吹きすさぶ寒風を凌いでいるときに、半袖のTシャツ一枚で汗だくになって自転車にまたがって信号待ちしている姿を奇異の眼で見られる、という経験をよくしている)

では夏はどうか。もちろん暑い。
しかし夏は暑いから良いのであって、もしもスーツを着てネクタイをして自転車に乗らなくてはいけないとなれば拷問に等しいが、短パンにTシャツで乗る分にはその暑さはむしろ心地よさすら感じるものであり、短パン&Tシャツで行ってはいけない事情があるのだとしたら、それは自転車の利便性に異論を挟むのではなく、社会のマナーとか常識とされている共通規範そのものをこそ疑うべきであろう。

端的に言えば、近年言われている「クールビズ」という運動はもっともっと推し進めるべき、ということである。暮らしている土地の気候風土に合った、価値基準、審美眼、マナー等を、改めて模索していく必要がある、ということだ。
ハワイではレイを首にかければ(短パンにシャツでも)、それは西洋のタキシード級にフォーマルであることとされる。
スーツにネクタイ姿こそが正しいマナーだとされたのは、そもそもどんな気候風土で育まれた文化なのか。それは今や亜熱帯と言ってよい夏の東京において、果たして私たちが模倣し続けるべき風習なのか。
冷静な判断力があれば、東京の夏の服装マナーは(ビジネスに於いても)、むしろハワイをお手本にした方がよいことに気付くはずである。
この提言に眉をひそめる人たちは、この日本の長い歴史の中でつい最近生まれたばかりに過ぎない一つの慣習に、単にとらわれ続けているだけであろう。

そして、その固定観念にとらわれたままでいることは、近年の経済成長第一という幻のような価値観を見直す眼差しすら持てない、ということに等しい。

自転車とクールビズ。
どちらも根っこ同じだ。

東京は自転車で走ってみると、殆どの人が「電車で行くのが当たり前」と思い込んでいる所も実は「意外に近い」と実感できる。
そう。これはぜひ大きな声でお伝えしたいのだが、都内を自転車で移動するのは、今これを読んでいる貴方が思っているよりも遥かにラクチンで早い(たぶん)。
たしかに一つの路線で駅から駅までの競争をしたら、自転車は電車に敵わない。
しかし「door to door」であれば、(ましてや乗り換えの一つや二つもあったりすれば尚更)自転車の方がかなり有利なのだ。
対クルマだって、道の空いている真夜中であれば敵わないが、朝夕の渋滞している中での自転車の優勢は圧倒的である。

環境に限りなく優しく、しかも健康にも良くて、移動スピードは条件によっては電車やクルマを凌ぎ、到着時間も正確に読め、ドラムセットやコントラバスは難しいかもしれないがテナーサックスやタブラくらいなら荷物を運ぶこともできる(近頃は高性能なリアカーもある)。良いこと尽くめだ。

問題は、この都内に自転車が安全に安心して快適に走れる環境がない、ということである。そして、それこそがこの都会の交通事情の最大の問題点であり、クールビズの話と同じく、私たちの観念を根底から見直さねばならないことの一つなのだと思う。
人類史上最大の発明である素晴らしい愛すべきこの利器を、私たちはもっともっと活用しよう。

まず、都内の片側2車線以上ある道路は(明治通りも六本木通りも甲州街道も環七も・・ことごとく)、その左車線すべてを自転車のための専用レーンにすべきである。尚かつ、その自転車レーンはさらに「走行レーン(低速用)」と「追い越しレーン(高速用)」に分ける必要がある。
そして、片側1車線以下の道路では「クルマより自転車の方が上位である」という認識を社会通念とし、「クルマは前を自転車が走っていたら追い抜いてはいけない」というルールにする。

・・・というのはほんの少し極端かもしれないが、それくらいに発想を大胆かつ柔軟にしていく必要がある、ということなのだ。

一口に自転車と言っても、お年寄りや子供や買い物ママさんなどの自転車と、高速度で幹線道路を快走するスポーツ車はまったく別物である。前者は限りなく歩行者に近いし、後者はクルマに近い存在。
そのどちらもが自転車の利便性を享受し安全に安心して走れる環境を目指したい。

結論。交通インフラも、人々の意識も、東京はオランダやデンマークなどに多いに学び、自転車優先の未来都市を描くべし。

その雄図の奥を流れる思潮は、「すべては繋がっている」ということ。
クールビズのことも含め突き詰めて語るならば、「日本には美しい四季があり、時節の細やかな機微を身体で感じて暮らしていくことを大切にしたい」という話になろう。
そしてそれは「五感を研ぎ澄まそう」ということであり、「耳を澄まそう」ということである。

クルマは便利だし、そのエコロジー性能はこれからも技術進歩とともに向上していくだろう。
しかし、他者や外界への体内アンテナを磨くということに関して、そのベクトルはどこまで行こうとも、自らの身体で動かす自転車という利器が備えている卓抜した哲理に近づくことはない。

自転車は私たちの、目前の景色はもとより、知の風景を変えてくれるのだ。

以上が、当プロフィール欄の「自転車・・・幹線道路に専用車線を完備してほしい」という一言に込めたメッセージ(の概略)である。

都内は意外とアップダウンが多い。三軒茶屋から銀座へ行くには丘を3つ超えなくてはならない。
強い向かい風に行く手を拒まれ、「でも帰りは追い風」と思いきや帰路も向かい風に泣くこともある。
しかし、上り坂も向かい風も、暑さも寒さも、それを感じることこそが「生きる」ということなのだと思う(と己に言い聞かせ、ペダルを漕ぐ)。

そのペダルの一漕ぎが、巡り巡ってやがて己の音楽となるのだ(といいな)と思う。




・・という具合に、自転車賛歌から少し大きめの風呂敷を広げて、2012年元旦の夜、取り敢えず新年のご挨拶としておきます。

本年もどうぞよろしくお願いします。
(関連する話は、これからもたぶんエンドレスで続くでしょう)


トップの写真は2010年秋、東京・代々木公園にて。
PENTAX LX+smc M50/1.4+PRESTO400(self development)

by りき哉



記事へコメントくださる方へ

2011年12月25日 (日)

南三陸町との邂逅 一粒のちからコンサート後記

宮城県登米市と南三陸町の仮設住宅地区へ、「一粒のちから」プロジェクトで演奏に伺いました。

(その予告編・詳細がこちらのログ。「一粒のちから、南三陸町へ」)

両日とも沢山の方が集まってくださり、笑いと涙と熱気に包まれたコンサートになりました。


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上の二枚の写真はその初日(2011年12月22日)、宮城県登米市の南方イオン南方店跡地団地2期仮設集会所でのコンサートの様子です。

会場は(ご覧の通りの)超満員!
とても心のこもったチラシを作ってくださったり、皆さんにお声がけをしてくださった、現在は南三陸町童子下仮設1期の自治会長をなさっている佐藤さんと、志津川高校避難所で代表を担っていらっしゃった佐々木さんお二人の、人望の厚さが伺えます。


下の4枚も同じく。

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Dsc_0234      唄・太鼓 美鵬成る駒


Dsc_0208_2      尺八・篠笛 佐藤錦水


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そして翌日の23日(祝)は、南三陸町入谷の童子下集会場「四季の里」にて。

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この入谷地区で仮設住宅に避難されているのは17世帯ほどとのことですが、沢山の方がいらしてくださいました。


直に触れて響き合った時間。
皆さんの手拍子や、お囃子や、真剣な眼差しや、笑顔や、涙に、もう私たちの方が「ちから」を頂いているような。

民のうたの力って凄い。

自分個人にとっても、音楽を今まで続けてきたことの意義がぎゅっうと凝縮された二日間となりました。
南三陸町との邂逅も、こうして音楽を共にできる仲間に恵まれることも含め、色々な巡り合わせに只々感謝するばかりです。






コンサートを終えた集会場から、全てが流された志津川の町までは車でほんの10分ほど。
鉄骨だけが残った南三陸町役場防災対策庁舎のすぐ横が、佐藤さんのお住まいのあった場所です。

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失われた風景の中で、手を合わせました。

そして私たち3人と楽器や機材を満杯に乗せた車は一路東京へ。
今と未来へ向けた「民のうた」を、これからも精一杯にクリエイトし奏でていきたいと思っています。





(コンサート本番中の写真はすべて佐々木さんによる撮影です。佐藤さん、佐々木さん、いろいろとどうもありがとうございました)

追記(12/27)
佐藤さんもブログ「南三陸 海 山 川!」にて、この度のことを予告から後記まで、連続でアップしてくださっています。
こちらはその3つ目、コンサート後記(の一つ目か?)です。
一通のメールからのはじまりでした。

by りき哉




「一粒のちから」プロジェクト:ピアノで織りなす東北民謡

2011年12月18日 (日)

絆と断絶、そして改めて思うこと

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震災・福島原発事故から9ヶ月。
新たに生まれた絆と、原発を巡り一遍に噴出した果てしない断絶。
今も、倫理を置き去りにした巨大な勢力が根深くはびこり、その権謀術策が巡らされ続けている。

食品の「暫定基準」が恒常化した非常事態のまま、その測定もまったく不足している現況において、即時的に何よりも心配なのは、放射線への感受性が大人よりも遥かに高い子供たちのことだ。
そして、何の責任もないまだ幼い子供たちや、これから生まれてくる子供たちは、この事故の後片付けも、これから予定通りの手続きで廃炉になる原発や使用済み核燃料の後始末も、直接・間接に生涯に渡ってやり続けなければならない。

このほんの数十年の間の薄っぺらな利便性を享受してきた私たちは、一体どれほどの大きなものを失った、いや、奪ってしまったのだろう。
この期に及んでなお原発や核燃料サイクルを押し通そうとすることは、次代に対する眼差しの欠如と、自己正当化と、拝金主義の為せる態度にほかならない。

例えば、現・野田内閣が成立した今年9月2日の社説に於いて、東京新聞が「原発に依存しない暮らしのかたちも見えた。本当に豊かな未来のために、脱原発の方向性はこのまま堅持するべきだ」と語る一方で、読売新聞は「原発の再稼働は、産業空洞化を防ぎ、日本経済が震災から本格的に立ち直る必要条件である」と浅慮を晒す。

「豊かさ」の本質を見据える者と、見誤る者。
思想の射程の違いは、かくも呆然とするほどに大きい。

嗚呼、しかしだ。
たとえ、広大な太平洋に小石を一つ投げ入れるがごときであるとしても、それでも私たち一人一人が声を上げ続けていくことがこの現実を前進させていく原動力となるのだと、私はやはり信じている。

いま何を語り何を語らないのか。
それは自分の生き方そのものであり、その姿勢こそが己の音楽になるのだということも、やはり信じている。


 トップの写真は、2011年5月 東京・代々木公園にて。
 Minolta AUTOCORD(Rokkor75mmF3.5)+ 400TMAX(self development)



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 2011年4月 東京にて。
 PENTAX LX+planar 50/1.4+400TMAX(self development)

以下、この秋以降に書き記した言葉の断片より、ごく一部を抜粋掲載。


[11月17日]
石油ストーブを買いました。デロンギのオイルヒーターを長年愛用してきましたが、乗り換えることにしました。我が家の場合、これで冬の電気代は半分から3分の1近くになりそうです。電気大食いヒーターは、今冬はこのまま押し入れで冬眠していてもらいます。


[11月18日]
夏前に産経エクスプレスの購読を止めた際、妻が理由を先方に言わなかったと後から知った私は「それじゃ原発問題の報道への抗議行動だということが伝わらないじゃないか」と残念がったのだが、たった今その産経新聞から「また購読を検討して頂けませんか」という電話を頂戴した。飛んで火に入る夏の虫。


[12月6日]
息子のピアノレッスンは今まで一年近くお父さんオリジナルの練習をさせていたのだけど、今日は昇級テストという事にして、合格にして、8級から7級に進級した事にした。嬉しさを隠すように首をすくめてから台所へ行き、「ねえ、おかあさん、ぼくね、昨日まで8級だったけど7級にしんきゅうしたんだよ」と。


[12月8日]
ジョン・レノンの命日。毎年この日は特別な思いに駆られる。静かに「ジェラス・ガイ」を弾いてみたり。


[12月9日]
「東京ももう冬になった」ということにして、本日我が家はついにストーブ稼働。(言うまでもなく、電気のオイルヒーターから石油ストーブに替えたのは「今冬の我が家の電気使用量を劇的に下げてやる」という男の意地が9割です。脱原発デモ参加と同じ)


[12月11日]
今日は明治座公演の後、『一粒のちから』リハーサルをしてきました。昨晩の皆既月食も神秘的だったけど、新宿の今夜の月もすごく明るくて美しくて、宇宙の営みも人との縁も含めたこの世の必然への感慨や、優しさや悲しみや怒りが入り交じった、言葉にならない心持ちとともに歩いてきました。深呼吸。


by りき哉


2011年12月11日 (日)

一粒のちから、南三陸町へ

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12月11日、今日で震災から9ヶ月です。

南三陸町でのコンサートが決定しました。
『一粒のちからプロジェクト』で、今月22日に登米市の、23日は南三陸町の仮設住宅地区へ、演奏に伺います。

宮城県民謡「十三浜甚句」を制作した際の、この十三浜の写真を提供くださった佐藤秀昭さんとの何とも不思議な妙なるご縁が、今回のコンサート実現へと繋がりました。

佐藤さんは現在、南三陸町の仮設住宅(童子下仮設1期)の自治会会長をなさっています。
そして、志津川高校避難所の代表をなさっていた佐々木光之さんとともに会場の手配から何から準備してくださり、当日はコンサートの進行を務めてくださいます。

とても楽しみに待っていてくださるとのこと、私たちも精一杯の演奏をすべく準備を進めています。
ささやかな一粒の力になれますように。



南三陸町復興応援
「一粒のちから」民のうたコンサート


2011年12月22日(木)

開場 13:30
開演 14:00〜 
場所:宮城県登米市 南方イオン南方店跡地団地 2期仮設集会所


2011年12月23日(金)

開場 11:00
開演 11:30〜
場所:宮城県本吉郡南三陸町入谷童子下 童子下集会場


進行:佐藤秀昭さん (南三陸町童子下仮設1期自治会会長)
   佐々木光之さん(元志津川高校避難所代表)

出演:唄・太鼓   美鵬成る駒
   尺八・篠笛  佐藤錦水
   piano     中村力哉


2011年3月11日。千年に一度という未曾有の大震災。
東日本では、豊かな風景や歴史とともに築きあげてきた人々の生活が、一瞬にして奪い去られた。
故郷を想う気持ちは、明日へ歩み未来へと向かう私たちの大きな力になると信じている。
日々の暮らしの中で生まれ育まれてきた「うた」には、その地の土や空や匂いが深く染み込んでいる。
そうした土着のうたを、新たな響きに包み、目を閉じればそこに故郷が現れるように、後世へまでも伝えていきたい。
復興を祈る一人一人の想いにそっと寄り添い、ほんの一粒のちからになれたらと願いながら、私たちが受け継いできた民謡を、今と未来へ向けて奏でていきたい。





トップの写真は「十三浜甚句」を唄う、和太鼓奏者・美鵬成る駒。
2011年5月12日 Hocola studioにて。


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こちらは「網のし唄」で篠笛をレコーディングする佐藤錦水。
2011年6月30日 Hocola studioにて。


※ 「一粒のちからプロジェクト」については、こちら。
  ピアノで織りなす東北民謡

※ 中でも「十三浜甚句」については、こちら。
  ピアノで織りなす宮城県民謡「十三浜甚句」

by りき哉

2011年11月27日 (日)

ピアノで織りなす青森県民謡「南部餅つき唄」

「一粒のちから(東北地方の民謡に和声を付けることで復興の力になれたらうれしい)プロジェクト」の第五弾です。
復興を祈る私たち一人一人の想いに、この音楽が少しでも寄り添うことができたなら幸いです。

日本の民謡はもともと和声(という概念)を持たない音楽ですが、そこにピアノによるハーモニーを加え、新たな解釈とともにアレンジ・演奏しました。

「南部餅つき唄」は、下北半島に伝わる古い踊り唄で、正月行事が発祥と言われています。
現在でも、県内のお祝いの席では祝舞として、必ずこの踊りが演じられるそうです。

これから年末、そして新年を迎える時節だということもあって、今回はこの唄を取り上げてみました。
餅米を蒸すところから始まり、杵で捏ね、そして威勢良くつきあげていく一連の流れをイメージしてアレンジ&演奏しました。
エンディングに向かって元気よく盛り上がっていきます。

青森県民謡「南部餅つき唄」

奥州 サーハーエ
奥州南部の 大畑なれや
出船入船 繁華の港
陸(おか)は豊年 みずほの宝
(ハ イヤコラ ハイハイ)

揃た揃たよ 餅つきァ揃た
秋の出穂より 色はよく揃た
※ヨイヨホホイヨイ ヨホホーヨーイトナー
ヨイハヨイコノ舞を舞うて
よせてよせたら ヨホノホイヨホホイノホイ

臼もあたらし 餅つきゃ若い
赤いたすきに はちまきを締めて
※繰り返し

ツケタカ ツケネカ ツケタカナ
サットシアガレ ユンガオメ
サットシアガレ カンボチャメ
トコサッサ コラサノサ

ついたお供え 神々さまへ
家内揃うて 笑い顔揃うた
※繰り返し

[歌詞についての補足]
「よいはよいこの」は現在広く浸透している歌詞ですが、本来は「よいはよいとの」で、この「と」は「人」という意味だそうです。


この地で育まれてきた唄を後世へ伝えていくこと。
その力のささやかな一粒になれればと願っています。

この動画の演奏者
 美鵬成る駒: 唄・太鼓・当り鉦・チャッパ・鈴
 佐藤錦水 : 篠笛・唄囃子
 中村力哉 : 和声付け・ピアノ・タブラ(バヤン)・カシシ・唄囃子

 2011年11月12日 東京 Hocola Studio にて録音


ちなみに動画の絵は、この音楽のバックグラウンド画として描き、パソコンでレタッチしたものです。
「気は心」ということで・・。
(原画:2011年11月24日 26×34cm クレヨン)

by りき哉




[追記]

当プロジェクトの唄を、以下にまとめてあります。

ピアノで織りなす東北民謡~Pray for Japan~

その他の公開済みの唄
Pray for Japan ピアノで織りなす福島県民謡「相馬二遍返し」
Pray for Japan ピアノで織りなす宮城県民謡「十三浜甚句」
Pray for Japan ピアノで織りなす茨城県民謡「網のし唄」
Pray for Japan ピアノで織りなす岩手県民謡「釜石浜唄」

2011年11月12日 (土)

Rikiya Nakamura Piano Free Improvisation 080527

これは以前ここにアップした音源なのですが、「一粒のちからプロジェクト」をYouTubeに公開するにあたって、動画の編集もYouTubeへのアップロードも経験なかった私は、その練習と実験を兼ねて、こんな動画を作ってみたのでした。

これで要領を確認して、一連の「ピアノで織りなす東北民謡」をアップロードできた次第です。
(3月の「朧月夜」ソロピアノは友人にアップロードしてもらいました)

というわけなので、5月にアップしてから今まで誰にもまったく告知していなかったのですが、せっかく作ったので改めてここにお知らせしておきますね。


Free Improvisation Rikisac080527 #1~#4
2008年5月27日 東京 Hocola studio における録音
piano 中村力哉

一切何も決めずに弾いた、ピアノ・フリー・インプロビゼーションです。

ログ「音楽を深く感じるために」でアップした音源に、映像を付けてみたものです。

この映像が何なのか、ここでは内緒にしておきます。
(YouTubeの動画説明文にはタネ明かししてあるのですけど)

以下、そのログの全文も転載しておきます。

あ、そうそう、その前に・・。
今日(11/12)は「一粒のちからプロジェクト」の第5弾・青森県民謡「南部餅つき唄」レコーディングしました。
近日web公開予定です。乞うご期待!



以下ちょっと長文なので、お時間のある時にどうぞ。
(2008年6月2日のログより転載)

↓↓↓↓↓

音楽を深く感じるために

いっさい何も決めずに、心を静めて、まず最初の音を出す。
「最初の音」は、単音でも良いし、和音(重音)でも、旋律でも、リズム(の断片)でも良い。

但し、これから始まる音楽について、何も予定しないように注意しなくてはいけない。
最初の音を弾く瞬間まで調性(キー)も決めないし、そもそも調性があるかないかも決めない。
音楽に抑揚や変化を持たせるか(例えば最初は静かに始めてだんだん盛り上げていくとか)、そういう「話の流れ」みたいなことも予定しない。
風景なり感情なり、何かを表現しようという目標も持たない。

これから一体どんな音楽が生まれるのか自分自身でもまったく未知である、という白紙状態で始めるのである。
唯一のルールは、音楽として始まりと終わりがある、ということ。
いつの間にか始まって何となく終わるのではなくて、始まりの瞬間と終わりの瞬間を「明確に」持つ、ということ。

そう思って、さあいざピアノを弾こうとすると、最初の音をどうするかという葛藤がまず生まれる。
鍵盤は88ある。組み合わせを考えれば、選択肢は無限にある。
組み合わせを考えずに最初は単音と限定してみても、その一音を弾く強さ(音色)の可能性はやはり無限にある。
さて、何を弾こうか。

でもとにかく、まず静寂に耳を澄まし、ある瞬間にフッと決断して手を鍵盤に下ろしてみるのだ。
そして放たれた響きに耳を澄まし、次に弾くべき音、あるいは取るべき間を感じとれたら、それを続けていく。
大切なことは、雑念を持たずに意識を音楽の奥深くに集中することだけである。

身に染みついている音楽理論や慣習にとらわれたり、ましてやそれに頼ったりしようとすると、たちまち真の音楽に対する集中力は途絶え、明確な終わりの瞬間まで音楽を続けることは決してできない。
ちょっと油断すると、左手が何かのコードを安易に押さえてしまったりして、そうするともうその一瞬で自分の気持ちが萎えてしまうのだ。
音楽がそれまでの必然的なエネルギーの流れを失ってしまったことを、自分が明確に感じとるからである。
(まるで、素直な心を持っている間は魔法が使えたのに、傲慢な心を持った途端にその力を失ってしまった、というおとぎ話みたいだ。)
常にその瞬間瞬間に耳を澄まし、何にもとらわれることなく自分をオープンに保つことができれば、やがて終わるべき瞬間を、まさにその瞬間に感じとることができる。

いわゆる「フリー・ジャズ」のイメージとは、たぶん少し違うだろう。
「フリー」というカテゴリーが示す多くの音楽も、言ってみれば一つの方法論であり、一つのコンセプトだ。
既知のフォームなりメロディーなり、あるいは何らかの概念から離れようとすることは、それはそれで一つのベクトルを持つことになる。

いまここでやろうとしていることは、その刹那刹那に耳を澄ます、ということであって、それだけである。
だから、最初にある種のベクトルを設定することもしない。
結果として音楽が、ありふれた平凡なもの(例えばごく普通のコード進行を持ったポップスのようなもの)になっても構わない。
何か新しい視点を獲得したものであったり、既成概念に異を唱えたりするものである必要は何もない。
それに、技術的に高度なものである必要もない。
あとからそれを譜面に起こしてみたらまるで楽器の初心者でも弾けるような、簡単でシンプルな音楽になっても良い。
きたない音楽になっても良いし、美しい音楽になっても良い。

自分がその瞬間を深く感じとって、それに従ってリアルタイムに完結させた音楽であれば、そういう自覚に確信が持てれば、結果はすべて受け入れる。

というような考えのもとにやってみたソロ・パフォーマンスの録音がこれである。

ファイルは一つだが、この中に4テイクのインプロビゼーションが含まれている。
この4テイクはほんの20分ほどの間に立て続けに弾いた録音なので、全体としてひとつの共通するムードみたいなものが感じられる、ように思う。
ピアノの調律は大分バランス悪いが、それも含んだ上での自由即興演奏である。

日頃、私の仕事フィールドでは「即興で完全に無制約で音楽をクリエイトする」ということは基本的にはない。
「アドリブ」と言っても、かならず何かしらの制約、言い換えれば「沿うべきガイドライン」がある。
テンポとかコード進行など音楽の構造上の制約・ガイドラインもあるし、TPO上の制約(たとえばホテルのラウンジで演奏する場合の求められる節度とか)がある場合もある。(ラウンジのソロピアノで肘打ちする時は極めてソフトに美しく響かせ、お客さまがびっくりしないよう心がけている。)
私が参加しているバンドのひとつ「BANDO-BAND」のライブでは、アストル・ピアソラの「ロコへのバラード」を演奏する際、そのイントロでピアノのフリーソロを任せられる。
しかしそこでは「暑い炎天下のブエノスアイレスの町中、頭にメロンの皮をかぶった気の狂った男がフラフラと歩いてくる様子」を描写するというガイドラインがあるし、そのフリーソロの終わりはイ短調で3拍子を提示してテーマへの導入を果たす、ということが予定されている。(でもそれ以外にはフリーなので、極めて高い集中力とモチベーションを必要とする。)

ガイドラインに沿うことは「それに如何に沿うか、どう美しく沿うか(または如何に外れるか)」という難しさ、奥深さがあるが、道や方角が示されているという点では安心感があり、ラクチンだという面がある。
それは裏を返せば、例えばコード進行やリズムをはじめとする何らかの制約・ガイドライン・手がかりがある音楽は、それに上手に沿うことができただけで一定の達成感を得てしまい、真に耳を澄ましていなくてもそれなりに形になってしまう危険性を孕んでいる、ということでもある。
小手先だけの音楽にならないように日々気をつけなくてはいけない。
(・・と自分を戒めているのである。)

完全に自由なインプロビゼーションでは、本当に意識が研ぎ澄まされていないとまったく形にすることができない。
集中せず意識が高まっていない状態でテキトーに自由にやろうとしても、それこそすぐにバカバカしくてそれを続けられなくなってしまうだろう。それは自分の出した音に何の必然性も感じられないからである。
「自由に」と言っても、「何でもアリで、テキトーにやればいい」というのではない。正反対である。
一切の制約も目的も設けずに、自分自身のアンテナをフル稼働してその空間と瞬間をキャッチしながら、あくまでも自然体でその入力に瞬時に反応していくというプロセスは、簡単なようで意外と難しい。

だから、こういうこと(無制約の即興演奏)を試してみることは、私にとって意味のある訓練になる。
実際、これを毎日いつでもパッとできるかというと、意外となかなかできないものである。
その証拠に、ここにアップした録音は数日前のものであるが、今日またやろうとしても、どうしても集中力が高まらず何もクリエイトできなかった・・。
そしてそれは、べつにぜんぜん珍しいことではない。
ひとえに、私に精神修行が足りない故であろう。
ともかく、あせらず、マイペースで精進すべし、と。

そういうわけで、録音はその時の一期一会のパフォーマンスとして日記に残しておく。
パフォーマンスのクオリティはともかくとして、本当に白紙状態から一瞬先は未知という状態で弾いているので、録音を聞き返してみると自分でも「ほほう、そう来たか、面白いね」というふうに他人事のように聴けて、けっこう楽しめる。

ところで、つい先日のログ(新郎当てクイズのピアニスト版)では「テキトーに構えることの大切さ」について考察したばかりだが、たぶん、大局においてはテキトーに、細部すなわち一瞬一瞬のできごとには極限まで意識を研ぎすます、という姿勢が大切なのではないか。
と、今思った。

(以上、ログ「音楽を深く感じるために」より全文転載)

これの関連ログ(2010年6月10日)もご紹介しておきます。
自由さの濃淡(今回の映像の説明は、このログ内でもしてました)


by りき哉



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2011年11月 6日 (日)

コレクターは何をコレクションしたのか

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現代アート(美術)をコレクションする悦楽について書いたコラムを、新聞で読んだ。

「コレクターの端くれ」を自認するその筆者は、以前にボーナス全額を注ぎ込んで、あこがれの(既に著名な)アーティストの作品を買ったそうである。そして、あこがれのアーティストの作品が、がんばれば自分でも買えた、ということに感動し、以来、手が届く若手の作品を買うようになったそうだ。

そこまでは何気なく読んでいたのだが、その先の文章で驚いた。
「しかし、買ってはみたものの、その若手は鳴かず飛ばずのまま、どこかへ消えてしまったりすることも。作品だけがさびしく残され、コレクターとして審美眼がなかったのかと悩んでしまう」

えっ・・?
ああ、そうか、つまりこの人は、自分が本当に感じたから買ったのではないのだ。将来その作家が有名になるだろうと踏んで、(世間的な)価値が上がることを見込んで買っているのである。
だから、作家が有名になればその買い物は「成功」だし、そうでなければ「失敗」であって、その作品は「ゴミ」になる。
(コラム文中で「失敗」とか「ゴミ」と表現していた)

もちろん、ビジネスとして考えるなら、先物買いという行為は当たり前のことであり、それで良い。

しかし、アートを見たり感じたりすることに主眼をおくならば、この筆者のしていることはそれとは全く相容れない。
最初のボーナスでがんばって「あこがれのアーティストの作品」を買ったときも、あこがれていたのはそのアーティストにでも作品にでもなく、そのアーティストなり作品なりの世間的評判に対してであり、だから己の得た「感動」も「悦楽」も、それは単に、高嶺の花と思っていた高級ブランド品を自力で買えた、という子供じみた自己満足レベルのものでしかなかったに違いない。

世間一般で評価されることと、自分自身が感じることと、どちらを信じるのか。どちらを大切にするのか。
美しいか美しくないか、その判断を自ら放棄し他人に委ね、果たしてそれでその人は「生きている」と言えるのだろうか。

「生きる」とは、自分自身が何かを感じる、ということであると思う。



トップの写真
PENTAX LX+planar 50/1.4+400TMAX(self development)

by りき哉



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2011年11月 4日 (金)

bando-bandライブ後記:藤野町のカフェレストランShu

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神奈川県の藤野町は、前々から憧れている場所でした。
陶芸・彫刻・音楽などなど、いろいろな世界のアーティストが多く住んでいて、都心からわずか1時間ほどなのに、異次元的な豊かな自然。

そして、カフェレストランShuは期待した通り、それはそれは本当に素敵な空間でした。
アコースティックな音楽にぴったり。
ピアノはヤマハのC3です。
部屋の響きがとても良く、今回は(PA設備はありましたが使わずに)完全ナマ音でやりました。

満員御礼!アンコールを2回も頂く盛り上がりと一体感に至福の喜び。
お越しくださった皆さま、どうもありがとうございました!

トップの写真はリハーサルの様子。
PENTAX K200 + DA35mm/F2.8 Macro

そして、Shuさんがこのライブのことを、何ともアーティスティックなブログ記事にしてくださっています。
美しすぎる数々の写真!詩のように紡がれる言葉!スバラシイ!
これは必見かと。

cafe Restaurant Shu's News「Bando band ライブ ありがとうございました


料理もすごくおいしいのです。
相模湖辺りへ行かれる際には、食事にぜひお勧めです。


今回のライブデータ

2011年10月30日(日)
bando-band LIVE!

bandoneon  大久保かおり
piano      中村力哉
bass     マーク・トゥリアン
percussion  浜野律哉

場所:藤野 cafe restaurant Shu


さて、bando-bandライブの次回は

2011年11月14日(月)中目黒 楽屋にて。

詳細はこちら。
2011年の秋、3つのbando-bandライブ

by りき哉

2011年10月27日 (木)

自転車をめぐる都市の在り方について

Bw135film110324_0014


「警視庁は、自転車の車道左側走行の原則を順守させ、これまで積極的に摘発していなかった歩道走行の取り締まりを徹底する方針を固めた」というニュースを読んで、呟いた(昔から思っている)こと・・。


平気で車道の右側を走ってこちらに向かってくる自転車とか、いちいち憤っていたら一日が台無しになるくらいに日常茶飯事。自転車は「車両」だということを知らない人が多過ぎ。

道路の右側を走るなど、ルール無視の自転車は厳罰にして良いと思うが、しかし、そもそも日本(とくに都会)は社会が自転車にまったく不親切過ぎるのが大問題。道路事情も、人々の意識も。

都内で、環七やR246みたいな幹線道路を自転車で走るのは命がけ。クルマを運転している人の中には「車道を走っている自転車が邪魔」と心得違いしている輩もいる。意識を変えなくてはいけないのは、自転車に乗っている人だけではなく、この社会全体。

東京はデンマークやオランダ並みに自転車優先の社会を目指すべき。
・・と思う。


つづく(かも知れない)

[追記:2012/1/1]
続きました → 自転車都市の思潮
Bw135film110524_0035_2


写真は2枚とも
PENTAX LX+planar 50/1.4+400TMAX(self development)
2枚目の上部が消えているのはフィルムの最後のコマ(というか、最後の半端)だったため。


by りき哉

2011年10月25日 (火)

2011年の秋、3つのbando-bandライブ

当ブログではお馴染みbando-bandライブのご案内、なんと3連発です!

絵本をひらくように
物語りをたどるように
知らない時空を旅する楽隊

bando-band
bandoneon  大久保かおり
piano      中村力哉
bass     マーク・トゥリアン
percussion  浜野律哉

今回は新たにピアソラの曲もやります。

Bandoband111026_2


2011年10月26日(水)
bando-band LIVE!

19:00open/20:00start
1set 20時〜/2set 21:30〜/入替え無し
チャージ 3000円(drink別)

場所:関内 KAMOME
神奈川県横浜市中区住吉町6-76
Tel 045-662-5357
Mail kamome@yokohama-kamome.com





2011年10月30日(日)
bando-band LIVE!

start17:00/open16:30
charge 2800円(1drink付)

場所:藤野 cafe restaurant Shu
神奈川県相模原市緑区日連981
tel 042-687-2333
要予約です(ご予約はお店まで)





2011年11月14日(月)
bando-band LIVE!

start19:30/open18:00
チャージ 2500円

場所:中目黒 楽屋
東京都目黒区上目黒2-15-6
tel 03-3714-2607




音楽って本当にいろいろなことが詰まっていて、このユニットに詰まっているいろいろなことのバランスが、私はほんとうに大好きです。
言葉によらない、純粋な音による構築と即興とか、遊びと対話とか。

皆さまのお越しをお待ちしています!
秋の夜に、ほのぼのと、熱く、クールな音世界をお届けします。





bando-bandって何?・・という方はこちらをどうぞ。
bando-band 1st CD 出来た!
bando-band website



追記(11/3)
ライブ後記アップしました。
bando-bandライブ後記:藤野町のカフェレストランShu

by りき哉

2011年10月21日 (金)

調草子 Kaori-ne ライブ後記

超満員御礼!

『調草子 Kaori-ne』の旗揚げ、とても良いライブでした。

いろいろなことに感謝。

どうもありがとう。

(・・って、誰に言っているのか自分でもよくわからないのですが、メンバーや応援してくださっている皆さんには勿論のこと、目に見えない何かに対して、ありがとう、という気持ちです)


Imgp3613

 写真はライブ終了後、メンバーの集合写真。


 今回のライブ・データ

 2011年10月20日(木)
 調草子 Kaori-ne 結成記念ライブ

 尺八・篠笛  佐藤錦水
 うた     木津かおり
 guitar    内田 充
 piano    中村 力哉
 percussion 海沼 正利

 場所:四谷「メビウス」



めでたく無事に立ち上がったこの新ユニット、これからの展開がすこぶる楽しみです。
さまざまな沢山のモノサシを共有し、自由に、瞬発的に、「今」を体現する喜び。
「音」と「音楽」で対話できる至福。





そしてついでに、今回のチラシのために描いたこの絵を、単独で貼っておきます。
(皆さんから誉められおだてられ、お陰さまですっかり画伯気分になったので、記念に・・・)

Kaorine4img_3
   2011年9月17日 画用紙 29×37cm クレヨン




by りき哉


このライブをご案内したログはこちら。
調草子 Kaori-ne 結成記念ライブ!

2011年10月15日 (土)

調草子 Kaori-ne 結成記念ライブ!

Kaorine111020live00_2


いにしえの調べを現在(いま)に伝える〜Kaori-ne〜
そのサウンドは時空を超え無限にひろがるグラデーション

新しいユニットが立ち上がりました!
「調草子」で「しらべのそうし」と読みます。
「Kaori-ne」には、馥郁たる音(ね)という意味に、うたの木津かおりさんの名前も掛けて。

追分、馬子唄、舟唄、子守唄…
先人より受け継がれた民族音楽・民謡。そのテーマはLife〜生活〜
2011年。もともと無伴奏だった口伝の調べを、艶やかに転生させるべく、邦楽家 佐藤錦水の呼び掛けのもと、各方面にて活動中のアーティスト達が一同に集結した。日本語特有の発声、韻から生まれた日本固有の音楽の原点を、今の音色で蘇らせる伝え人たち。


2011年10月20日(木)
調草子 Kaori-ne 結成記念ライブ

19:00 open
20:00 start
charge 3,000円

尺八・篠笛  佐藤錦水
うた     木津かおり
guitar    内田 充
piano    中村 力哉
percussion 海沼 正利

場所:四谷「メビウス」
東京都新宿区舟町8 舟町ビルB1
営団地下鉄丸の内線 四谷三丁目駅 徒歩3分
都営地下鉄新宿線 曙橋駅 徒歩3分
http://www.mebius-yotsuya.jp/


ということで、密かにリハーサルを重ねてきた新ユニットが、ついにそのベールを脱ぎます!
(って、大仰か・・)
日本の民謡を主な素材にしながら、そしてメンバーのオリジナル曲も交えつつ、どこまでも自由自在に広がっていく可能性を感じるこのユニットに、私自身もすごくワクワクします。

この何回かのリハーサルを経てつくづく感じるのは、音楽ってやっぱり「人」だなぁ、ということ。

記念すべき初ライブ、どうぞお見逃しありませんよう!
何と言っても「初」というのは、一回しかありません!
(二回目も、十回目も、同じく一回しかないですけど)
乞うご期待!

(ちなみに、私が進めている『一粒のちからプロジェクト』ピアノで織りなす東北民謡~Pray for Japan~とは、また別のユニットです)


Kaorine111020_ura


あ、あとついでに補足。

このチラシ表面の、月とススキの絵は、私が描きました。
(尺八の錦水さんに網のし唄の絵を褒められ、おだてに乗って木に登り・・)
2011年9月17日 画用紙 29×37cm クレヨン

だんだんその気になってきたような・・。

by りき哉

2011年9月10日 (土)

HIBI★Chazz-K「極楽★茶~Heavens Tea~」発売

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サックスのひび則彦さん率いる「HIBI★Chazz-K」のニューアルバム『極楽★茶』が、9月5日発売になりました。

ここで何度か紹介していますが、HIBI★Chazz-Kは「JAZZをメインに、世界に音楽の架け橋を・・」を合い言葉に精力的な活動を続けている、4本のサックス(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)とドラムの5人組による、ストリート・サックス・アンサンブルです。

東京都公認ヘブンアーティストでもあり、日本各地での演奏のみならず、フランスでの大規模な野外フェスティバルに招待されての演奏や、北京オリンピックでは現地の公式レセプションに日本代表として演奏したり、「第一回ハルモニア杯音楽コンクール」ではバンドアレンジ部門グランプリ受賞などなど、とてもここで紹介しきれないいろいろな活動履歴は、ぜひHIBI★Chazz-Kの公式サイトでご覧ください。

ポップかつマニアックで、底抜けに楽しいサウンドです。
私も以前よりレコーディングやライブに度々参加させていただいていて、今回のアルバムでは全11曲中、3曲に参加させていただきました。

CD発売に先駆けた9月3日、渋谷JZ Bratで行われた記念ライブは嬉しいことに予約で満席。
多彩なゲストもあり、当日の会場は楽しい熱気に包まれました。


アルバムの詳細は下記サイトで。
HIBI★Chazz-K オフィシャルWEBサイト

リーダーの日竎さんのブログのこちらの記事には、各楽曲の丁寧な解説文などもあります。
要チェックです。
「極楽★茶~Heavens Tea~」2011.9.5発売!New Album


トップの写真は、今回のニューアルバムのジャケット。
HIBI★Chazz-K New Album「極楽★茶~Heavens Tea~」
2011.9.5発売
定価¥1500(税込) 
★ライブ会場でのご購入¥1000(税込)
【お問い合わせ】
chazz-kekeke@hotmail.co.jp


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9月3日、渋谷JZ Bratライブでのリハーサルにて、リーダー日竎さんの1カット。


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ライブ終了後、出演者皆で記念撮影。
9月3日、渋谷JZ Bratにて。


参考:当ブログの過去ログ
伝えるということ/HIBI★Chazz-K@柏市民文化会館


by りき哉

2011年9月 1日 (木)

2011夏・お父さん日記

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[8月6日]
「ぱっさんって音したね」「え?どの音?」「ほら、ぱっさんって言うよ」絵本を再び閉じて、全ての大人は「パタン」という表現で済ますであろうその微かな音に耳を澄ましながら、新発見に瞳を輝かせた息子が教えてくれた。ほんとだ。「パッサン」って音がするね。


[8月11日]
「もう疲れて歩けないよ」と座り込んだのは、ほんの3,4回。鎖に捕まりながら大人でも大変な崖っぷちの岩場を延々と2時間、トータルで丸5時間、10キロの山道を、よくぞ最後まで歩いた、とお父さんは感無量だったよ。西沢渓谷(山梨県)一周した、5歳の夏休み。大人になっても覚えてるかな?


[8月12日]
5歳の子供にとっては「ロッククライミングか」というくらいの険しい道のりを、小さな身体であれほど健気なまでに頑張って踏破したのに、きっとそれも跡形も無く忘れちゃうんだろうなぁと、今朝はもうケロッとして積木に夢中の息子を眺めながら、今を懐かしむ思い哉。


[8月15日]
「今ね、まったく支えてもらわないで、一人だけで31歩も歩けたんだよ、31歩も」母親と近所の緑道から帰ってきて、息を弾ませながら教えてくれた、竹馬に初めて乗れた日。

夏休み前のこと。幼稚園から帰ってきて「今日ね、うんていの端から端まで行けたんだよ。それでね、手の皮がこんなに剥けた」と言って見せてくれた手のひらは、マメが大きく剥けてすごく痛そう。でも「ぜんぜん痛くない」と。そこまで夢中になって達成感があると痛くないのか。竹馬での足の親指も。


[8月27日]
息子は「ブルーノート」には反応しなかったけど「コットンクラブ」には「こっとんくらぶ?コトコト音がするの?」とインスパイアされたようで、今日もクマのぬいぐるみでコットンクラブごっこをする。そういえば赤ちゃんの頃に良く読んだ絵本は「がたん ごとん」だったね。




トップの写真は西沢渓谷にて。

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西沢渓谷一周コースの最奥「七ツ釜五段の滝」を過ぎて、ここは(急だけど岩場でないので)登りやすいところ。



by りき哉



記事へコメントくださる方へ



東北地方の(元来は単旋律である)民謡に和声を付けることで、復興の力の一粒になれたらと、まずはYouTubeに公開していく試みをしています。

ピアノで織りなす東北民謡~Pray for Japan~

公開済みの唄
福島県民謡「相馬二遍返し」
宮城県民謡「十三浜甚句」
茨城県民謡「網のし唄」
岩手県民謡「釜石浜唄」

2011年8月26日 (金)

ピアノで織りなす岩手県民謡「釜石浜唄」

「一粒のちから(東北地方の民謡に和声を付けることで復興の力になれたらうれしい)プロジェクト」の第四弾です。

消えてしまった風景を呼び戻すために。復興を祈る私たち一人一人の想いに、この音楽が少しでも寄り添うことができたなら幸いです。

日本の民謡はもともと和声(という概念)を持たない単旋律ですが、そこにピアノによるハーモニーを加え、受け継いできた伝統と文化にリスペクトを払いながら、新たな解釈と ともにアレンジ・演奏しました。

この唄は、三陸漁業の水揚港として、また明治時代からは日本の製鉄業発祥の地として急速に繁栄した釜石の、沢村遊郭に生まれたお座敷唄です。
歌詞は大正初めに尾崎神社の宮司・山本茗次郎が改作したと伝えられ、花柳界に広く歌われるようになった俗曲風の民謡として貴重な存在となっています。

唄に出てくる尾崎神社は、奥の院が尾崎半島の先端に鎮座し、この地の海・漁業の守り神として、古く鎌倉期より以前から祀られてきました。


岩手県民謡「釜石浜唄」

奥で名高い 釜石浦は
いつも大漁で 繁昌する

おらが看板 朝日にかもめ
波にくじらの 浮く姿

時化を覚悟の 荒灘かせぎ
肌の守りは 尾崎神社(おざきさま)

(歌詞の注釈を本記事の末尾に記載しています)

故郷を想う気持ちは、未来へ向かう私たちの大きな力になると信じています。
この地で育まれてきた唄を後世へ伝えていくこと。
その力のささやかな一粒になれればと願っています。


この動画の演奏者
 美鵬成る駒(唄)
 佐藤錦水 (篠笛)
 中村力哉 (和声付け・ピアノ・鍵盤ハーモニカ)

2011年8月14日 東京 Hocola Studio にて録音


[歌詞注釈]

一番の歌詞の「奥」は、資料によっては「奥州」と書いて「おく」と読ませているものもあります。
尾崎神社の宮司・佐々木裕基氏からは、これは「奥州」という意味ではなく、尾崎神社の奥宮のことを指している可能性が高いのではないか、とのお話もありました。


二番の歌詞の「看板」は、資料によっては「印伴纏」「印伴天」などの表記や、「甲板」と書いて「かんばん」と読ませているものも見受けられます。
「甲板」は恐らく、「看板」の誤りかと思われますが、これも定かではありません。

三番の歌詞の「尾崎神社(おざきさま)」または「尾崎様」は、ほかに「お崎様」の表記も見られますが、「崎」とは「海に突き出た土地」で、「海に突き出た場所には、海の神 が宿っている」という信仰が広くあるので、いずれにしても、この地の海の守り神である尾崎神社のことを唄っていると解釈できると思います。


[追記]

当プロジェクトの唄を、以下にまとめてあります。

ピアノで織りなす東北民謡~Pray for Japan~

その他の公開済みの唄
Pray for Japan ピアノで織りなす福島県民謡「相馬二遍返し」
Pray for Japan ピアノで織りなす宮城県民謡「十三浜甚句」
Pray for Japan ピアノで織りなす茨城県民謡「網のし唄」

2011年8月25日 (木)

秋元順子ジャズライブ2011

秋元順子さんの、今年前半の(歌謡曲の)コンサートが7月に一段落しまして、昨夏に続きバンドリーダーを務めさせていただいているジャズライブが、今回は大阪ビルボードを皮切りにスタートし、名古屋ブルーノート2daysと、東京コットンクラブ2daysの初日を終え、本日は3カ所10公演の最終日です。

回を重ねるごとにますますバンドの一体感も深まり、(MCのダジャレも含めて)楽しく濃密なライブが繰り広げられています。
順子さんも、とても楽しそうに歌っています。
(これでまたジャズライブの間が空いてしまうのが寂しくて勿体ない・・)

さてと、千秋楽、いっそうゴキゲンにスイングしてきたいと思います。

Imgp3491

写真は、東京コットンクラブ初日のリハーサルにて。
ピアノに座ったところから(ピアノが休みの32小節の間に急いで)撮った1カット。

備忘を兼ねて、今夏のジャズライブのパーソネル等を記載しておきます。


秋元順子 Summer Jazz Live

2011年8月16日(火)
ビルボードライブ大阪

2011年8月18日(木)
2011年8月19日(金)
名古屋ブルーノート

2011年8月24日(水)
2011年8月25日(木)
コットンクラブ東京
(このコットンクラブのページの下の方には、2009年にNHKで公開収録・放映されたジャズライブの動画が貼られています。ピアノトリオでの演奏です)

vocal   秋元順子
piano   中村力哉
bass    和田弘志
drums   長谷川清司
sax     竹村 茂

追記
楽日を、楽しく終えました。
各会場での、沢山の声援どうもありがとうございました。

順子さんの今夏のジャズライブはこれにて幕を閉じ、次は9月初めに北海道・北見にて、ギターとピアノのデュオ編成による二日間のコンサートです。

by りき哉



復興と鎮魂を願う私たち一人一人の想いに添えたらと、東北地方の(元来は単旋律である)民謡に和声を付け、まずはYouTubeに公開していく試みをしています。
ピアノで織りなす東北民謡~Pray for Japan~
(YouTube Rikiya Nakamura Official Channel の再生リストより)

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